推手道場でにわかに大捋推手を始めています。
N先生が唐突にやりだしたので、ほかの人ともやっているのですけど。
大捋推手は、いちおう知っておりましたが、あんまりしっくり感がなくて、これでええのかな?という感じでした。
道場で練習して、家で妻を練習相手にやっているうちに、だんだんコツが掴めてきました。
大捋推手がうまくできなかった原因は、どうやら低く沈むことに意識をとらわれすぎていたからだと気づきました。
私は低い姿勢に何の抵抗もありませんが、低く沈むことができない人が大半なので、そこでヨレヨレしてしまって、推手どころではなくなってしまう、というかんじですね。
しゃがみ込むのはやめて、高い姿勢のまま、お互いの手が粘着するよう、足もひっつくように、ねばっこく何十分もやっているうちに、これだー!と思える感覚がつかめてきました。(妻はヘトヘト)
少し歩幅を広くすると、虚実変換もわかりやすくなります。
じわじわと、だんだんと歩幅を広げて、姿勢を低くしていけば、そのうちDVDの見本のような大捋推手になることでしょう。
やってて思ったのですが、陳式太極拳の大捋推手は、あんがい簡単だ、ということです。
密着するので、カチッとした感じがあって、変に体をねじったり、やたら踏ん張ったり仰け反ったりできる余地がそもそもないのです。
一般的な楊式スタイルだと、お互いの間合いに余裕があり、その距離の中であれこれ試行錯誤するもんですから、捻じる踏ん張る引っ張る仰け反るといった悪癖がついてしまいやすいのではなかろうか。
前から思っておりましたが、やはり太極拳は、陳式から始めるのが学びやすいと思うのです。カッチリしていて迷うところが少ないからです。
いきなり二十四式や楊式だと、とらえどころがなくて、何をやっているのやらわかりません。だから推手もなかなかできないのだと思います。
どうも巷では、二十四式が初心者向け、次が楊式で、上級者がやるのが陳式というふうに捉えられている節がありますが、まるきり初心者でも、他武術からの転向者でも、陳式から入った方が、上達しやすいように思っています。
二十四式は、お試しサンプルとか、映画の予告編とか、スーパーの試食とか、そんなイメージですね。
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