今月も異流派推手交流会に参加しまして、とても面白く過ごせました。
毎度、お手合わせしている人たちもどんどん上達してこられて、ひと月前と同じ調子で応じてたら、むむむっと唸らされることも多く、「男子三日会わざれば刮目して見よ」という格言を思い出しました。
私自身も進化はしているはずだとは思いますが。
対戦相手ごとに得られた気づきとかいろいろ書けますが、キリがないので書きませんが、得るものは多かったです。
今回、特に面白かったのが、初参加の古武術のひとでした。
「よろしくおねがいします」と対面して手を合わせ、「ところで何をやったらいいんですか?」と。
そうですよねえ。初参加の人は戸惑うと思います。競技推手みたいなルールがあるわけじゃなし。
メンバーは一人一人やりたいことは違っていて、組む相手によってもやることバラバラ。周りの人を見渡しても、何をやっていいのやら、サッパリわからないと思います。
「崩したり崩されたり、いろいろ試して遊んでもらえたら…」と答えまして、いつも最初はそうするのですが、しばらく相手の人の、今回は古武術のやり方に合わせて動いてみました。
押したり引っ張ったりされるのを化勁して軽い発勁で崩したりして、雰囲気に慣れていってもらい、私も、その方の古武術の動きを探っていきました。
古武術のやり方なのか、胴体を直接押してこられたりもするので、こちらも合わせて関節を取ったりして、これはなかなか楽しいぞ、と思えました。
「なんの武術ですか?」と聞かれて「太極拳です」と答えると、たいそう驚いてくれました。どうやら世間一般的に思われているお年寄の健康体操のイメージを持っておられたようです。
ここに参加する人は、あるていど武術としての太極拳を認識されておられると思ってたので、こちらもびっくり。
この日は、40人超という過去最高人数が集まっていたみたいで、口コミのルートも、これまでとは変わってきているのかもしれませんね。
いろいろ質問されたので、ちょこちょこと実演しながら説明したら「すごいですねー!」とやたら私を褒めてくれまして、「いや、私がすごいのではなくて、太極拳の技術なんです」と答えときました。
「太極拳は、どんな構えなのですか?」という質問に、「はて。そういわれると、構えってないなー」と気づかされました。
最初の搭手で始めるのが構えみたいなもんですが、かといって、あれが構えかといえば、そうでもないような気もします。
「始まったら動き続けますから、構えってないですねー。止まっているようでも、ずっと動いてます」と答えました。
「構え」というのは、足と足の間にずっしりと重心を落とすイメージを持たれていたようです。
「太極拳ではそれは戒められております。陰陽が変化し続けるのです」との私の答えに、新鮮味を感じられていたようで、良かったです。
私は太極拳のやり方が当たり前になってきておりますが、他の武術の人から見ると、常識はずれなところがあるのかもしれません。
あらためて太極拳ってスゴイんやなあと思えた次第です。こういう交流ならではかも。
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