私は倫理法人会の会員になっておりますけど、友人知人からは、なんやそれ? と怪しまれることが非常に多いです。
難しそうな漢字の名前の印象が悪いのか、怪しいカルト宗教か右翼団体みたいに思われるようですね。
ネットの知恵袋を読むと、もうムチャクチャで、ブラック企業の経営者が集まって社員をこき使う相談をしている、というようなことまで書かれておりました。
会員でもない人が想像で書いているんでしょうけど、なぜかベストアンサーになってたりして、いやはや、ネット情報ってのはコワイものですねー。
目次
倫理法人会とは
倫理法人会とは、ひとことでいえば、会社経営者や事業主のための教育団体です。
ライオンズクラブだとかロータリークラブ、青年会議所(JA)など、そういう団体と同じようなカテゴリーに入ると思いますが、異業種交流でジョイントして互いの業績をあげようという目的は、ないです。
会計とかマーケティングの勉強をするわけでもなくて(たまにそんな話もありますが)、宗教や政治的思想にもよらない、もっと根本的で普遍的な、宇宙とか自然とか生活の原理原則を学んで、会社や社員、家族関係、経営者自身の人生をよくして、幸せになろう、さらには日本をよくしよう! ということを目的にしています。
なかには、「経営者の団体に入れば、取引先やお客さんが増えるかも!」と期待して入会する人もおられますが、そういう動機だと、おおよそ期待ハズレなので、早々にやめてしまう人もいます。
それでも、せっかくなんで、学んでみようか、という人は、半年、1年、2年と参加し続けているうちに、ある時、変わります。
自分がこれまで頑張って、会社で工夫したり改善したりしていたことは、しょせん枝葉末節の話で、根本的な経営というものが全然わかってなかったな、ということに気づくのです。
そうなると、自分も会社もガラッと変わって業績も良くなってくるので、より熱心になるんですが、はたからみたらカルト信者みたいに見えなくもないので、怪しいという評判になるわけですね。
倫理法人会の体験
私は会社経営をしている時代に、知り合いに誘われまして、面倒くさいなあと思いながら、しぶしぶ入会しました。
週一のモーニングセミナーには、行ったり行かなんだり、ダラダラと参加しておったのですが、この頃は、会の役職もいただきまして、ほぼ毎週マジメに通っております。
初めて参加した時は、かなり時代錯誤で妙な印象を受けました。
私は、自己啓発セミナーとか、経営のセミナーとか、金持ちになるセミナーとか好きで、ナポレオン・ヒル、ジェームス・スキナー、アチーブメント、平秀信さん、ミスターXとか仙人さんとか、中谷彰宏さんの塾、話し方教室に、業界の勉強会に、教会の牧師さんの講話、バーのマスターの人生相談などなど、かなり多くの研修やセミナーに参加してきました。
わりとフランクな雰囲気のセミナーが多かったですが、倫理法人会はそれらとは違いまして、一見、ガチガチに固い雰囲気なんですよね。
早朝6時に、ホテルの宴会場とか会議室に、スーツのおじさん達がビシっと並んでいて、開始時刻前にベルが鳴って、2分間の沈黙の後、倫理法人会の歌の斉唱です。
これが君が代なら、警察か自衛隊かという感じです。(行事によっては、君が代も歌います。)
私は、学生時代に過ごした体育会武道系クラブの式典行事を思い出して、反射的に恐怖感をいだいてしまいました。(体育会って先輩が怖かったんですよ。)
歌が終わったら、創始者の丸山敏雄先生が終戦直後に書いたという「万人幸福の栞」という冊子を声に出して読みまして、そのあと、講話があります。
講師は、倫理法人会の会員である、どこかの社長さんのことが多いです。
苦労話や失敗談があって、倫理の学びを実践したら、ちょっとマシになったとか、ずいぶんうまくいくようになった、とか、まるきり人生変わったという話が多いです。
経営破綻、社員の造反、事故、病気、親子の確執、家庭不和、離婚、逮捕、収監、自殺など、経営者ってひどい目にあっている人が多くて、私自身もわりと苦労したつもりでしたが、上には上がおられるな、と感心しました。
(まあ、そういう人達だからこそ勉強しようという気になるのかもしれませんが。)
ただ、モーニングセミナーでの講話は、体験談がほとんどでありまして、倫理の教えは断片的にしかでてこないものですから、何回通っても、倫理って一体なんやろな? という気がしていたのはホントです。
業界のセミナーみたいに、一発でノウハウを詰め込まれるというのではなく、年月をかけて、ジワジワ、だんだんと分かってくるという感じですね。
講話のあとは、簡単な朝食会があり、こちらはわりと和やかな懇親会で、それが終わると皆様、自分の会社に出勤するという流れです。
(朝、忙しい人は、朝食会はパスする人も、おられます。)
倫理は実践
倫理ってなんやろな、というのは、会員がもれなくいただける「万人幸福の栞」に書いてあるんですが、この本は、理論書というより、こうやりなさい、という実践指導の書になっております。
実践しやすいように、17か条にまとめられておりまして、理屈がわからんでも、実践していれば良くなる、という教えでありまして、話を聞くだけで何も実践しないのなら、聞かんほうがマシ、というかんじです。自分がせずに人に押し付けるようになったら、害だとさえいわれております。
だから、エラソーに生半可な知識をひけらかすだけの人はいないです。(だから、倫理をうまく説明できる会員も少ないのかも。)
訂正:自分がやってもないのに、人にはエラソーに語ってしまう人はいるようで、それが原因で奥さんに嫌われたり、社員にそっぽを向かれたりする人は、わりといるようです。気をつけましょう。
また、信じてお祈りしていれば天国が近づいてくる、という教えでもないです。
実践あるのみ。
代表的な実践が「朝起き」です。
ニワトリより早く起きろという「早起き」ではなくて、時間の早い遅いに関わらず、目が覚めたら二度寝しないでサッと活動せよ、ということを「朝起き」と言っています。
朝起きが何故良いのかという理屈はあるんですが、だいたいにおいて理論を学ぶのは入会して1年たって、幹部向けの講座に参加できるようになってからです。
とりあえず、目が覚めたらサッと起きなさい、気づいたらすぐやりなさい、そうしたら人生良くなる、と教えています。
(一応かんたんに解説すると、朝起きの習慣は、気づいたらさっとする、先延ばしにしない習慣を身につけ、ズボラな心をなくす。起きたときのひらめきを大事にすると直感が優れてくる等、いいことがたくさんあって、繁栄の第一歩ということなのです。)
朝、家を出る時の景色(夏の場合。冬は真っ暗です。)
↓
私が最初に感銘を受けて実践した教えは、「万人幸福の栞」の中に書いてあった、「得るは捨つるにあり」というものです。
行き詰まって、どうもならんようになったら、地位も名誉も財産も生命も、未練も予想も後悔もなく、きれいさっぱり捨ててしまえ、という大胆な教えです。
倫理法人会に入会した頃の私の会社は、経営状態も人間関係も、それはもうグチャグチャでして、特に、社長の私と共同経営者との関係がひどくて、アイツを殺すか俺が死ぬか、という気分になってたんですけど、この教えを知って、なにもかもすっぱり捨てました。
おかげさまで、会社は崩壊です。
それまで、奴が憎いといえども、社員たちの生活もあるし、介護という職業の性質上、年寄りの顧客を投げ出すわけにもいかないし、道徳的にも辞める訳にはいかない、死ぬまで会社の奴隷かな、と思ってたんですが、思い切って捨ててしまったら、どうってことなかったです。
もちろんその時は、裏工作や事後処理など、ものすごく疲れましたが…
おかげで現在は、新しい仕事にもチャレンジでき、なぜか両親との関係も良くなり、実家の仕事にも関わるようになり、健康状態はバッチリで、妻や子供と過ごす時間も増え、経済的にも余裕を持って、楽しく暮らせております。
元共同経営者は別として、やめた元社員たちからも恨まれもせず、こないだは忘年会に呼んでくれました。
近所の元顧客のおばあちゃんなんかは、たいへんやろーと、会えばパンと餃子とか、くれます。もう大変でもないんですけど…
倫理法人会では、先祖を敬いなさいとか、ものを大切にしなさい、感謝しなさいといった、会社経営とあんまり関係なさそうな、わりと宗教的、道徳的、常識的な内容もありますけど、病気になったら喜びなさいとか、値切らず支払いは先に済ませなさい等という、一般常識や、商売人の慣習とは逆を行く教えもあります。
頼まれごとは考える前に喜んで引き受けなさい、何が起こっても「これが良い。」と思いなさいという、ええーっ、そんな無茶な、という教えもあります。
宇宙の法則は、考えたって仕方ない、法則に従って、実践したらうまくいくんだから、やってみなはれ、というのが倫理の教えです。
モーニングセミナーの体験談は、講師によって、どんなネタが出てくるかバラバラですので、初めて参加した人の感想は、「なーんだ、そんなアタリマエのこと。」だったり、「そんなバカな、うさんくせえ!」と拒否反応だったり、マチマチでありましょう。
お一人の話を聞いただけでは、なかなか倫理の全体像はわかりませんね。
「いやー、勉強になりました。」といいつつ、帰ってから2ちゃんねるに悪口を書く、なんて人も、もしかしたらいるんじゃないでしょうか??
倫理法人会の会費
会費は月に1万円です。
自己啓発系の研修だと、2泊3日で50万円とかザラでしたので、私は、全然高いとは思わなかったですが、赤字の零細の自営業者には辛い出費かもしれません。
でも、会社が良くなるための必要経費と思えば、月1万円はどうでしょうね? (コピー機のリース代でも、もっとかかると思いますので…)
経費にする場合の勘定科目は、交際費じゃなくて、研修費が妥当かなと思います。
入会すると、「職場の教養」という小冊子が、毎月30冊送られてきます。朝礼に役立てるための本ですけど、30人も社員がいないという場合、お客さんにあげたりしても喜ばれます。いいこと書いてあります。
会員の活動としては、週一回のモーニングセミナーが主なイベントになりますが、ちょいちょい夕方の講演会なんかもあります。
週一回で物足りなければ、違う曜日に開催している、別の市や区の単会(ほぼ100人単位の支所みたいなもの)のモーニングセミナーにも参加できます。
全国どこの単会に参加してもOKで、毎日通っても会費の追加はありません。(朝食代は別です。)
出張ついでに、他府県の倫理法人会のモーニングセミナーに参加してみるという会員さんも、よくおられます。海外の単会は、大歓迎してもらえるようです。
もっとハードな修行を体験したい場合は、富士山の麓の研修所で、座禅や滝行も受けられます。
会員は、法人代表や役員、個人事業主が多いですが、フルコミッション的な保険営業の人とか、スポーツ選手、音楽家、政治家などもおられます。
十代続いているような老舗や、全国展開している大企業、若さあふれる学生起業家やユーチューバー、工務店の親方に大工さん、競輪選手、ボクシングのチャンピオン、ジムや道場の経営者、パリコレのデザイナー、紅白出演を狙う演歌歌手、ラジオパーソナリティー、神主、写真家、冒険家、シベリア抑留からの生還者、元受刑者、元反社、元警察、元自衛官、元暴走族のヘッドにレースクイーン、在日外国人、カルト宗教(本物の)脱退者、着物の似合う美しい女性経営者もいれば、ガハハと笑う豪快な女社長もいるし、実に様々です。
このごろは、IT関連の個人事業主の入会が増えているようですね。福祉関係、教育関係も増加傾向です。
コロナでお店が潰れて、再起を目指している人も、次々入会されています。(令和4年8月追記)
モーニングセミナーだけでしたら、会員でなくても無料で参加できますので、お試しに行ってみるのも面白いですよ。(入会のお誘いは確実にありますが。笑)
私はお陰さまで、人生好転したので良かったなと思ってますし、会社を廃業して個人事業になった現在でも、継続的に学び続けるのは意義深いと思ってます。
(※追記:実家の家業を継いで法人化できました。)
だらけがちな自宅勤務でも、週に1回、早朝にでかけて生活にメリハリがつきますし、いろんな経営者との交流も刺激になり、飲み会も楽しいです。(酒飲みは多いです。)
(こちらから、各都道府県の倫理法人会のモーニングセミナー会場を調べられます。)
倫理法人会の朝礼
倫理法人会では、会員企業に、朝礼の実施を推奨しております。
活力朝礼と言っておりまして、始業前に一発、仕事に活力を与えるという朝礼です。
これ、すごくいいです。
私が最初に勤めていた会社でも朝礼はあったのですけど、所長が売上の悪さに怒り狂ってホワイトボードをバンバン叩くとか、部長がやってきて説教が始まって、午前がまるまる潰れるとか、まったく不毛な朝礼でありました。
活力が削がれる、まったく最悪の朝礼です。
また、私が独立して起業した会社では、朝礼は実施しておりませず、出勤時間はバラバラ、タイムカードを押したらすぐ出動という勤務体系でした。
これでは社内の連帯感とか、情報共有とか、作れるはずもありません。
しかし、倫理法人会での朝礼は、ビシッとしております。
時間は10分こっきり。
おはようございます、いらっしゃいませ、ありがとうございました!の挨拶実習と、「はい」の返事の実習、社長の挨拶、それと、「職場の教養」という月刊誌の読み合わせ、連絡事項、スローガン斉唱というかんじのながれです。
緊張感を持って、ビシバシと進みます。ダラダラしません。気が引き締まります。
会社によっては、社員さんの1分間スピーチを入れたり、社是とか企業理念を斉唱したり、円陣を組んでエイエイオーとやったり、オリジナリティを入れておられますが、あんまり長くなってもしんどいので、私個人的な意見としては、基本的なスタイルでいいんじゃないかなあと思います。
しかし、朝礼があるのとないのでは、仕事への取組姿勢といいますか、気合といいますか、熱意とか効率とか、情熱とか責任感とか、愛着とか喜働精神とか、ずいぶん差が出るんじゃないかという気がします。
雇用されている側としては、こんな体育会系というか軍隊調はかなわん、ええ歳こいて学生でもないのに、もう勘弁して!と感じられるみたいですけど、慣れれば快感になると思います。
経営者側の人には、いきなり張り切って、やりすぎないようにしてほしいと思います。独りよがりになっても、皆様ついてこれないと思いますので、まあ、時間をかけてボチボチがいいんじゃないでしょうか。
倫理法人会に入会する人
倫理法人会の会員の、ほとんどの人は、知り合いの社長などから、無理やり誘われて入会しています。得意先の誘いで断れなかった、とか…。
でも、渋々ながらも、参加しているうちに、教えてもらってよかったな、という人が多いです。
私の場合は、他のセミナーで知り合った友人の誘いでした。朝6時に来なさいというのには、ええっ!と思いましたが、習慣になれば、そう、苦でもなくなります。
最初は、行ったりいかなかったりでしたが、そのうち役がが回ってきたりして、運営側になりました。運営といってもタダ働きですが、組織運営のやり方も学べます。倫理法人会はけっこう大きな組織ですので、個人事業主が、会社を作って成長させていくための、いい勉強にもなりますね。
この頃は、ネットで見て自発的に入会するという人が増えてきているようです。以前は、ええっ!自分で入ってきたの? と驚かれたものですが、志願兵も珍しくなくなってきた昨今です。
もしかするとこのブログを参考にしてくれた人もいるかも知れませんが、ユーチューブの鴨頭嘉人さんの動画を見て、という声を結構聞きます。
私はお会いしたことはありませんが、動画、なかなかわかりやすくて面白いですね。
話下手な人でも壇上に立てます
鴨頭さんは、プロの講演家ですから、お話はとっても上手ですが、倫理法人会で講話をされる方は、けっして話上手な人ばかりではありません。
まあ、そこらの中小企業の社長さんがメインですから、つっかえつっかえだったり、話の流れが悪かったりは普通のことです。
だからといって、ブーイングが起こるわけではなく、みなさん、講話者の意図をつかもうと真剣に、そして優しく暖かく聞いておられます。安心して話せる雰囲気がありますね。
入会すれば、すぐに会員スピーチの機会もありますし、半年もすれば、講話者に選ばれることもあります。
ええーっ、そんな人に教えるような、ええ話、ない!
と思われるかもしれませんが、別に、賢い話をする必要はありません。
今までの失敗談とか、今抱えている悩みとか、ロータリーやライオンズで喋れば、恥と思われるような話を、赤裸々に語るのが良いです。できれば、倫理で学んだことを実践してどう変化してきたか、というネタがあればベストですが、まあ、なくてもよいです。
恥ずかしいことでも話してみれば、同じような経験をした人が共感してくれ、アイデアをくれるかもしれませんし、話すこと、話の準備をしている中で、解決策が思いつくかもしれません。
また、あとに続く人の教訓になったり、勇気を与える力にもなります。話すことは社会の役に立つのです。
逆に、私はこうやって億万長者になった、お前らは努力が足りん!みたいな、上から目線の、説教みたいな講話は、滑ります。会員には、案外、隠れ億万長者もいますので…
日頃の生活では、なかなか出会い難いような大物も、しれっと紛れていたりしますので、意外な縁がつながっていくかもしれませんよ。
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