寸勁・ワンインチパンチの考察

前回、ブルースリーのワンインチパンチができそうかも、と書きましたが、書いてから、そもそもブルースリーのワンインチパンチって、どんなんやったっけ? 実はあんまり知らんかった、と思い出しまして、動画を見てみました。

いくつかの動画を見つけました。

板を打ち抜くやつと、背の高い外人の胸に防具をつけさせて、そこにパンチを食らわせて、後ろの椅子まで吹き飛ばすやつです。

ブルースリーが、前振りで手振り身振り解説している様子がありまして、それを見てましたら、あ、なるほど、と理解できました。(字幕は読んでません)

板がパッカーンと割れるとか、外人吹っ飛ぶとか、派手な映像に目を奪われると、おそらく本質的なところがわからなくなると思います。

打った後に体ごと、のめり込むような動きがあり、そこに気を取られても、間違えた認識をしてしまいそうです。

いろいろ解説している人もおられるみたいですが、私が考察するに、ワンインチでも30センチでも、距離はたいして関係なくて、普通に、打っているだけだと思いました。

鍛錬されて強烈ではありますが、特別に変わった打ち方ではないなと。

打つのと引くのが同時で、開合があって、まあ、太極拳の打ち方と同じですね。纏絲の勁で打ってます。

打った後の、のめり込むような動作は、演出か、勢い余ったのかわかりませんけど、本当はそんなに動かなくても打てたと思います。

パンチじゃなくても、掌でも肘でも肩でも外人は飛んでいったでしょう。

打たれる人は、ただ突っ立っているようでも、打たれる前に微妙に揺らされているはずです。見えないほどのかすかな動きですけど、化勁蓄勁発勁が瞬間的に働いていると思われます。

私なら密着していないとできないと思いますが、さすがブルースリー、30センチくらい離してから打っても盛大に飛んでいってます。

でも、30センチも離れたら、10インチパンチですよねえ。

板を割るのは、人を飛ばすよりずっと簡単、打ち方なんか関係なくて、勢いよく衝突すればいいだけです。当り所の面積が小さいほうが効果的ですので、拳か肘が良いですね。

ブルースリーは、指先をつけた距離から拳を握って打っていましたけど、板が完全に固定されていれば、拳をくっつけたゼロ距離でも割れるはず。

板は人間が手で持って構えているので、ゼロ距離だと、どうしてもクッション的な動きが出て、衝撃が逃げます。その分を見越して、指一本分距離をとったのだと思います。

指1本分でも3インチくらいありそうなので、これもワンインチパンチというのは、どうやろなという気もしますけど。

まあ、ゼロインチもワンインチも10インチもたいして違いはないでしょう。数字を並べて物理的理論で解説しているサイトがありましたが、よくわかりませんでした。

そんなに難しく考えなくても、正しい修練を積んでいけば、ブルースリーみたいに打てるようになると思います。

どこまで根気よく功夫を積めるか、それだけが問題ですね。

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