囲碁と推手

日頃、推手の道場でやっている推手は、主に四正推手で、グルグル腕を回しております。

定歩もやるし、活歩でもやります。

他武道の人とは、打輪で、グルグル回しが多いです。動きの中で、相手を崩そうとします。たまに力づくになります。

しかし、安田先生にこのたび教わった推手は、ほとんど動かない推手でした。

搭手のまま、ほぼ動きがないです。うかつに腕を動かしたりできません。

呼吸の微妙な加減で、ちょっとだけ体重移動したり、重みをかけたり、浮いたりします。それが攻防です。

相手の微妙な力加減の変化を読み、次の一手を打ちます。格闘技の練習というより、囲碁や詰将棋みたいな気分になります。

陳長興老師は、推手は囲碁みたいなものだと言われたそうです。

ほとんど出入力はないような感じなんですが、それでも確実に陣地を奪われ、わからんままに浮かされ、崩されてしまいます。

ほわわー、となって、笑ってしまいます。

そうかと思えば、自動車が衝突したかのような靠勁をくらわされたこともあります。それも推手なのですね。

太極拳を知らない人に、太極拳ってゆっくり動くんですよねー? と尋ねられました。

「そうです。ゆっくり練習します」と答えたものの、いや、早くも動けまっせ、遅くもできるし早くもできるし、それも陰陽だ、と思いましたけど、そんな説明をしたら、わけわからんようになりますね。

「私はイラチやから、そんなにゆっくりはようせん」という意見には、いえ、やっているうちにどんどんゆっくりになるのです。どんどんゆっくりになって、動いているのか止まっているのか、わからんようになります。と答えたものの、いや、ついてこれんくらい早くも動けまっせ、と思ったりして、これも説明がむつかしいですね。

対人の練習はしないのですよね? という質問には、いえいえ推手という練習方法があります。と答えたものの、じゃあ、元プロボクサーとスパークリングして! と言われまして、いやいや、ボクシングルールじゃ無理! 太極拳ルールやったらいいけど…と思ったものの、太極拳ルールってなんやねん?ときかれて、長生きした方の勝ち、なんて答えようものなら、余計にわけわからんようになります。説明って、難しいものです。

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