推手道場の後輩さんが主催している太極拳教室の、先日お伺いしたところと別の教室に、お伺いしました。
あちこちで教室を開催して、偉いなあ。後輩さんのことだから、お願いされて、引き受けているうちに増えていったんでしょう。
機会があればぜひ一度、と前から言われていて、ようやく実現しました。平日の午前で、しかもうちから遠くて、通勤ラッシュ時間にかち合って1時間半、ちょっと行きづらいところでありました。
でもまあ、行ってよかったです。勉強になりました。
習いに行ったのではなくて、教えに行ったのですが、こちらでは制定太極拳の練習をされていて、そこに伝統拳のエッセンスをぶち込むという企画であります。
歩き方とか、本当に動いて戦える歩法はこんなかんじ、とか、摟膝拗歩とか単鞭とか、套路の動作になんの意味があるとか、後輩さんをモデルに実演してみました。
摟膝拗歩はこんな風に使えます、とやろうとしたら、後輩さんが蹴ってきて、ん?と思ったのですが、「あー蹴りを左手で受け止めて右手で打つという、お決まりのパターンに頭が毒されておるな」と気づきまして、後輩さんの蹴り足に、私の足を交差させて前進、密着して、左掌で腰のあたりを封じ、右掌が触れる前に崩すというような実演をやってみました。
思ってたイメージと全然違うことが起きるパラダイムシフト、私はとっても大好きなのです。凝り固まっていた脳味噌がバラバラとほぐされると、混乱のあとに快感が来ます。安田先生よりさんざん体験させてもらったことです。
制定の32式剣もされていて、そちらも、剣を持っての歩き方とか、剣の使い方とか、一緒に練習しました。私も剣は全然未熟なので、まあ、一緒に研究したような感じですが、それでは斬られる、刺される、剣が折れるとか、相手との距離感とか、これもパラダイムシフトを起こしてもらえたようです。
締めはリクエストにお応えして、陳式太極拳と剣の表演をさせていただきました。
後日感想をいただきまして、後輩さんは学びたいことズバリで良かった、ってことでしたが、生徒さんたちは、「楽しく套路を踊りたい」のが希望だったようで、まあ、踊りと武術は相反するものではなく、同じ気分でやれるようになれば一流かなとは思うのですが、ちょっと期待されていたこととは違ったようです。
「動きが同じ人間とは思えない!」という感想もあったようで、私自身は、だんだんと本来の人間の動きを取り戻せてきたかなあ~という気分なのですが、現代文明社会生活で鈍になった体と比べると、だいぶん違って見えるのでありましょう。
こっちが自然、みなさまはの体は、生活習慣により抑圧されておるのです! 解放してあげて! ってかんじですね。
楽しく踊るにも、人体の能力をフルに解放させねば。
というような気付きがありまして、勉強になった次第です。
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