「三国志」感想・レビューその2

なんせ長大な話ですから、分割して感想文を書いております。

前回、なんじゃこりゃーとビックリタマゲタ無慈悲な殺戮や大量虐殺のオンパレードには、感覚がマヒしてきまして、ストーリーの面白さを追えるようになってきました。

なんといっても関羽が良いです!

関羽は、義兄弟であり主君である劉備玄徳と、戦乱の中で離ればなれになってしまい、お互い生死不明になるのです。

関羽は劉備玄徳の二人の夫人を守護しつつ、動きがとれないのですが、敵方の曹操の強烈な勧誘により、客人として曹操陣営に入り保護を受けます。

曹操の勧誘を受けるにあたり、劉備玄徳の行方がわかり次第、そちらに戻るので悪しからず、という条件をつけます。

敵方に戻りまっせという、その無茶な条件を飲んででも、身内に引き入れたいほど、曹操は関羽に惚れ込んでいるのです。

しばらくは曹操陣営の一員として鬼神の働きをする関羽ですが、戦場で、劉備玄徳生存の情報をつかみます。

約束通り曹操にお暇を乞いにいくも、それを察知した曹操は面会謝絶を7回。

しょうがないので置き手紙をして、これまで賜った金銀財宝や美女たちを未使用のまま返還し、居候していたお屋敷も原状復帰、後始末バッチリで去ります。

後始末の話は物語の冒頭でもありました。

劉備玄徳についていくと決めたとき、それまで経営していた子供塾を閉鎖するのに保護者説明会までやってます。

戦乱のヤタケタな時代に、そこまでキッチリする人が関羽なのです。

まさに、後始末の男。

そして初志貫徹と理念の男です。目先の損得や、メンツやプライドでは動きません。

人情より忠義。我が儘はゼロ。

非常に思いやりある優しいところもありますが、非情の厳しさもあります。

三国志の登場人物には優柔不断な人がけっこう出てきますが、関羽は即断即決即行即止。迷いなし。

しかも思慮深い。

というか、日頃の思慮深さがあるからこそ、事に当たっては即断即決できるのかも。思慮の浅い人は、迷い多いのですね。

呂布はその典型で、武力ばかり強くて、思考能力に欠けるもんだから、人の意見に左右されっぱなしです。その対比も面白いです。

一番心打たれたのは、出ていった関羽を追いかけて、曹操が別れの挨拶にいくシーンです。

自分達を捕らえに追っ手が来たかと、警戒した関羽は大刀を持ち、橋の上で待ち構えます。

やってきたのは曹操で、餞別の品を与えようとするのですが、関羽は遠慮します。

で、金銭は玄徳の奥方のためにということで、関羽には、着物をひとつ、せめてそのくらい受け取ってくれと曹操が懇願します。

では、かたじけない、と橋の上から大刀をクルッと回して、刃の先で引っかけて、肩に載せ、おさらば!と赤兎馬を走らせ去っていくのですねー。

曹操の家来達は、なんちゅう無礼なやっちゃ!と憤慨するのですが、それを見て曹操はさらに惚れ惚れします。

カッコいい!

そして、この橋の上から餞別を受け取る動作は、陳氏春秋大刀の套路にあるのです。

(動作名称は「懷抱月」)

大刀を習うときに説明は聞いていましたが、長いストーリーの中で出てくると、感慨もひとしお。

三国志を読むべし!というのはこういうことだったのですねー!

面白くなってきました!

しかしまだ諸葛孔明は出てきておりません。

>>前回の三国志の感想文

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