棍と拳

太極拳の最初に習ったのは、棍(鞭杵)でした。

套路の順番は覚えたものの、それほど深いところまでは教えてもらわないまま、他の武器に進んでいきました。

他の武器を習っても、棍の練習は、ほぼ毎日続けておりました。

他の武器を習うことで、ああ、こういう意味だったか、という気づきもありましたが、このたび不意に、まるで体の動きが変わりました。

棍の動きが、円というか太極図というか、凄く滑らかになったのです。

拳の練習で、そういう感じがしてきておりまして、考えてみれば、武器の操作もそうなってアタリマエだという気もしますが、そこに思い至らなかったのですね。

体が自然に動いて、初めて気づきました。

棒の先っちょで突っつくような動作も、今までとガラリと変わりました。棍の端々まで勁が伝わったような気がします。

3年、ダラダラ続けてきて、ようやくわかったなあー!

まだ用法のわからないところも多いので、まだ伸びしろがあります。

棍が変わったところで、拳もまた変わりました。

身体がさらに、軽くなってきたのです。

体重じゃありません。きのうスーパー銭湯で計ったら、あいかわらず62㎏でしたけど、軽快に身体が動くようになってきたという意味です。

旋風脚とかの足を振り回す動作で体が浮くようになったとは、ずいぶん前に書きましたけど、金鶏独立などの、立ち上がりの動作でも浮きますし、閃通背とか向きを変えるところでも浮きますし、なんなら金剛搗碓でも浮きます。

猿拳でもやっているような気分にもなります。

浮いてばかりでもなく、沈めようと思えば、ずっしり沈めてもできます。套路を一回一回ちがった感じでも練習できます。

老架と新架とかでなくて、おなじ老架式を繰り返しているだけですが、傍目に見れば全然違う套路に見えるかもしれません。

厳格な法則を守りつつも、自由自在になってきたのではないかと、喜んでおります。

また一歩、達人に近づいた!

年始からめでたいことです。

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