太極拳の馬歩

馬に乗ったのは30分ほどだけですが、この体験で、私の太極拳は、ガラリと変わりました。

「馬歩」が理解できたのです。

足の裏で体重を支えているという意識が消え去り、太ももとフクラハギの内側を、お馬さんのお腹にピッタリ貼り付けているという感覚に変わりました。

歩いているとき、片足立ちのときも、片方の足の内側をお馬さんに引っ掛けているというイメージです。

すると、まるっきりグラグラしなくなり、シャープに体重移動できるようになりました。

片足で、グイーンと足を開いていっても、全然、平気です。

支点が足の裏という一点じゃなくて、踝からお尻までの広い面に変わったのですから。

大きく開いた足を、ヒョイッと引き戻すのもラクラクです。

ヤジロベエみたいにバランスを取っているのじゃなくて、片足まるまる一本が、お馬さんの背中に引っかかっているのですから。

ただ、足を引っ込めようと思うだけでいいですね。

イメージって、これほど人間の体に作用するんですねー。

我ながら、びっくりです。

馬歩の秘訣は、これまでにも習っているし、言葉として理解していたし、なにも新しい知識じゃないのですけど、やはり左脳で理解したつもりでいたのと、実際に、パカパカ揺られて、落っこちないように、お馬さんに気持ちが伝わるように筋肉を動かした体験をしたのでは、まるっきり違いますね。

マニアックな知識は豊富でも、実力はさっぱりという人が多い日本と、文字も読めないのに太極拳の名人がゴロゴロいた昔日の陳家溝では、やっぱり馬に親しんでいたとか、土間で暮らしていたとか、そういう生活習慣の違いが大きいのだと思います。

もちろん、良師がたくさんいたとか、練習量が桁違いということもあるとは思いますが。

自然に身につくっていうのは、大きな違いだと思います。

でも、まあ、これでまた一歩、達人に近づいた!

毎度思いますが、20年前に、馬に乗っておけばよかったなー。

そのころって、自動車運転免許コンプリート取得に努力してましたけど、あんまり活用できてないです。大特とか牽引とか試験以降、運転したこともありません。馬のほうが良かった!

というわけで、太極拳の上達を目指す人には、乗馬体験をおすすめしたいです。

スクールに入会しなくても、体験だけなら、そんなに費用もかかりません。オモシロイと思ったらライセンス取得まで頑張ってもいいですね。

ただし、太極拳より、費用は確実にかかると思います。

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