英才教育の弊害

先日、日本武術太極拳連盟のエリート選手が、暴力わいせつ事件を起こして起訴というニュースについてちょっと書きました。

あんまり事情を知らなかったので、武術をする者は、武徳も必要だよねえ、という感想を述べましたが、悲しい裏事情があったようです。

暴力わいせつ事件といっても、そんなにひどい話でもなくて、学生の酔っ払ったノリで、女の子を押し倒してしまったり、みたいな程度だったようです。しらんけど。

その程度なら、私も心当たりがあるなあ…。怪我をさせたことはないですが、嫌がられたこともあったし、なんだかいい感じになったこともあったし。

武道系、スポーツ系の学生は、悪ノリしてました。関西のとある大学の学祭前夜のみだれっぷりは有名でしたねえ。(その後、酒の持ち込みが禁止になったようです)

今回の事件の当事者は、30歳手前ということで、ちと分別がなかったんじゃないかと思ったのですが、どうやら武術のエリート選手として、小学生のころから他の趣味も持たず、女の子との付き合いもなく、就職もせず、競技のための訓練漬けの日々だったということです。

そりゃ、頭の中が学生ノリから進化しませんね。

というか、バイトを掛け持ちして社会人以上に小遣いを稼いで、女の子を二股三股で手広く遊んでいる学生の方が、精神構造は大人かもしれません。(友人にそんなの何人もいてました)

強化選手で日本代表、イケメンでチヤホヤされても、自由がなく、他の世界も知らず、訓練の日々。歪な精神構造になってしまっても、しかたがなかったのかも。

事件を起こした責任を本人だけにして、連盟はサッサとクビにしてしまったようですが、原因の一端は、周囲にもあったのではなかろうかという話でした。

私の娘も、2歳か3歳くらいから長拳で大会に出て、最年少賞とかいただいておりましたが、エリート選手の道は歩んでないです。

小学校では、合唱部とバスケットボール部に入っているようです。

バレエ教室に通い、コンテンポロリとかいう踊りを習い、お茶のお稽古にも行き、乗馬も始め、家では、デタラメにピアノを弾き(なんだか上手い)、オペラとか歌っています。

マンガと、すとぷりのYouTubeが大好き。

その隙間で、気が向いたら太極拳も。

いつ勉強すんねん。

でも、このくらい、好き勝手やっている方が、人間として熟成していくような気がするなあ。

幼少時にある程度の身体操作能力を養っておけば、武術は大人になってからでも磨けると思います。

そればっかりの強化選手なんて、不幸だ。

賞金がっぽりのオリンピック選手とかならまだしも、武術でトップになったからといって経済的に潤うものでもありませんし。親に負担をかけるばかりです。

ちょっと、子供の育て方について、いろいろと考えてしまう事件であります。

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