太極拳と気の話

このブログを読んでいただいている方から、所属しておられる太極拳教室では、歩法とかあまり指導がなく、「気を得ること」「気を循環させること」を重視されているというお話を聞きました。

よく聞く話です。私の知るところでも、歩法とか基本功より、気を云々いわれる人は多いです。

「気」は、太極拳の重要な要素であり、「先天の気」「後天の気」とかいわれますけど、私は初心者は「気」は、あまり気にしないほうがいいんじゃないかなあと思っております。

太極拳の基本もろくすっぽわかっていないのに、気がどうのこうの言うのは、自動車運転免許の教習所で、車間距離を詰めて、これがスリップストリームだ!と、言っているようなものじゃないでしょうか?

スリップストリームは、A級ライセンスをとってから。あんたはとりあえず後方確認と脱輪に注意しなさいっ! ハンドルの持つ位置は10時10分! というかんじですね。

(ちなみに私はB級ライセンスを取得したことがあります)

太極拳の場合は、まずは立ち方、歩き方を訓練し、基本功と套路で内勁を練り、推手で相手の勁に合わせ、化勁、蓄勁、発勁を体現できるようになり、いちいち細かい動作を意識せずとも、こうしようと思っただけ(意)で、ピピッと、伝達が体中に駆け巡り、自動的に套路の形が再現され、気づけば、敵が倒れていたというレベルになって、この「ピピッと駆け巡る伝達物質 or エネルギー」が「気」なんだと気づくようなものではなかろうかと思っております。

先生によって考え方は違うと思いますが、最初に「気」をもってくると、妄想マニアばっかり増えて、本来の太極拳から離れていくように思います。

というわけで、「気」は意図してどうこうするものでなく、正しい練習を続けているうちに、自然とわかるものと思っております。

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