敵を知り己を知る

合気柔術と交流して気づいたことを、もうひとつ考察します。

正座してのやり取りで、私は息が上がってしまいました。ゼーゼーハーハー言っていたのです。

立って推手をする分には、3時間続けたところで、それほど疲れません。呼吸も乱れません。夏場、汗をかく程度です。

この年になって、無限の体力があるのかしらんと思って喜んでおりましたが、それは思い上がりでありました。座ってやると5分もしないうちに、汗びしょで息が上がりました。

慣れない動作で、余分な力を使っていたからだと思います。

太極拳には座り技がないのですか? と聞かれて、ありません、寝技もありませんと答えました。

(たぶん無いと思うのですけど。私の知る限り)

ここは武術の成り立ち、背景が影響しているところでありましょう。

帯刀している武士が、殿中での有事の際に使うのが合気柔術だと解釈しております。

太極拳は農村の防衛のための村人の軍事技術です。

みんなちがってみんないい(©金子みすゞ)と思いますが、相性は悪いかもしれません。

相手に合わせて、日頃やらない姿勢で組むというのは、研究にはなっても、自分の訓練にはならないかもしれませんね。オールラウンダーを目指しているわけではないので…。

交流なので、こういう経験もいいでしょうが、道場破りとかの本番の武術使用の際は、相手の得意に合わせる必要はなく、自分の得意に持ち込み、相手の本領は発揮させないのが、兵法でありましょう。戦略です。

相手の得意に合わせて自分の得意を封印するなどというチャレンジは、陸奥九十九に任せておけばよいです。

異流派交流会も、推手で交流しているので成り立っていますが、各々の得意を前面に出して来たら、しっちゃかめっちゃかになって、成立しません。ケガ人続出間違いなしです。交流と試合は違いますものね。

というわけで、ほかの武術と試合をしたり、他派の習得に取り組む気は今後もありませんが、自分の流派の特性とか、得意と苦手などを知り、深め高めていくためには、交流は役に立つと思いますので、機会があれば喜んで(気遣いはしながら)交流していこうと思います。

単純に、楽しいということもあります。

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