娘が小学生になりましたもので、GWに自転車の練習を本格的にはじめました。
お友達には、幼稚園の頃から、すでに自転車を乗り回している子もいますが、我が家では今まで、街乗り禁止にしていたのです。
我が家は、ハンドルを切り損なっても田んぼに落っこちるだけの田舎と違って、車通りの多い大都会にあります。
子供一人で乗っていったら危ないですから、自転車はダメ!と言ってました。
しかし、小学生にもなりますと、危機管理能力も多少は備わってきますし、お友達と出かけたくもなるでしょうから、ここは、親として、自転車の乗り方をしっかり教え込んでおこうと思った次第です。
ろくに運転技術もなく、交通ルールも知らず、勝手に乗っていかれる方が怖いですものね。
目次
子供の自転車練習は、補助輪なしで始めました
補助輪なしの自転車で、いかに走りだせるようになるか、バランスを取れるようになるか、というようなコツは、他のサイトにでもたくさん紹介されていますので、ここでは割愛します。
それよりも、走り出した後の練習について書かれているサイトは少なそうなので、そのあたり、私の思う練習方法を記しておきます。
ストライダーは自転車の練習にもなります
うちの子は、すでに、コマなし、ペダルなしのストライダーで、地面をちょんちょん蹴って進むトレーニングはできており、バランスをとる感覚も養われておりました。
ですので、自転車もいきなりコマ無しで始めました。
自転車は、少し大きめの20インチです。6歳のお誕生日プレゼントで買い与えました。
ホントは、一回り小さい18インチとかのほうが、体にはあっていると思うのですが、それだと背丈が伸びるとすぐに合わなくなりそうで、もったいないという家庭の(家計の?)事情を反映しております。
自転車屋のおっちゃんは、ストライダーと自転車はちがうでーと言っておりましたが、私としては、ストライダーから自転車への移行は楽だったかなと思っています。
ペダルを漕ぎながらバランスをとるというのは、ちょっと手こずりましたけど、発進のときに少し、サドルを支えてあげる程度で、うまく漕ぎ出せるようになりました。
自転車の練習は公園がおすすめ
よちよち漕ぎ出せる段階での練習は、マンション下の小さな公園で自分で好きなように遊ばせておりましたが、今後の公道デビューに向けて、本格的なトレーニングのカリキュラムを考えました。
まずは自転車練習の場所選びです。
幸いにも、我が家からそう遠くないところに、大きな公園があります。芝生もあり、砂利の広場もあり、パイロン代わりになりそうな木や、花壇などもあります。
適度な坂や凸凹にも恵まれており、クルマの通らない、舗装された周回コースもあります。抜群の環境です。
やはり、車が来るところは危ないですし、人通りの絶えないところも練習しにくいです。
広い公園が良いです。
ちなみにこの公園は、市が主催する、子供のための自転車講習の会場にも使われており、チビッコの集団が、お年寄りの講師の引率で走っているのをよく見かけます。(ツアー・オブ・ジャパンの第一戦会場でもあります。)
私は、市の講習よりはるかに濃い内容を、マンツーマンで指導をするつもりです。
なお、公園までの道路を自転車で自走していくにはまだ早いので、自転車は、車に積んでいきました。
まずは自転車の調整
20インチは、娘には、やや大きめなので、サドルの高さを上げると、足が地面に届かなくなるんですが、かといって、一番下に下げると、窮屈で漕ぎにくくなります。
そのあたりは妥協点をさがしました。今後、成長に合わせてだんだんと調整していこうと思います。
それと、ブレーキレバーの遊びを縮めて、握りやすく調整しました。これはドライバー一本で調整できますね。
操作しやすくすることは、安全のためにも、モチベーション維持のためにも大事です。
怪我をしない転倒の方法
自転車の練習を始めると、絶対に転びます。
いちおう、ヘルメットはかぶせますけど、ヘタなコケ方をすると、足が自転車に挟まったり、顔から地面に激突したりしますので、怪我をしないように上手に転ぶ練習も必要です。
これは、まず自転車に乗ってない状態で練習するのもいいですね。
最初に、親である私が、転び方の見本を数回見せました。
受け身の要領
おしりの方に倒れたら、斜め後ろまわり。頭の方に倒れたら、斜め前まわりです。要は、柔道や拳法の受け身の要領です。
このあたり私は自分で言うのもなんですが、なかなか上手なのです。学生時代は、立ててある自転車を飛び越えて、前転で受け身が取れました。(今は自信なし。)
柔道みたいに、パシーンと手で地面を打つより、ゴロッとまわって、スックと立ち上がるのがいいように思いますが、まあ、とりあえず頭を打ったり手の骨を折ったりしないように転がることができればよいでしょう。
これは芝生の上で練習するのが痛くなくていいです。あんまり痛いと、恐怖心が強くなって、練習したくなくなりますから。
うまくできなくても、「うまい!上手!合格!」と褒め倒すと、子供のモチベーションは上がります。
芝生の上でも、少々、打ち身や擦り傷くらいはできるかもしれませんが、それはしょうがありません。
それに、多少は痛い思いをしたほうがいいです。恐怖でトラウマはいけませんが、まったく恐れ知らずで町に出るのも危ないと思います。
自転車練習時の服装
写真ではうちの娘、スカートなんて舐めたカッコで乗っておりますが、これはおすすめではないです。
生足だと、擦り傷ができやすいですし、打ち身にもなりやすいです。
それに、ひらひらしたスカートは、乗り降りの際に引っかかりますし、チェーンに挟まれる恐れもあります。
スッテンコロリとひっくり返ったときに、パンツ丸見えになるのも、はしたないですね。
「かわいいからっ!」と、娘は頑固にスカートにこだわっておりましたが、やはり自転車の練習の際は、長袖シャツ、長ズボンがおすすめです。
なお、生足で臨んだ勲章の写真。
↓
(反対側には青タンもできております。)
直進とカーブの練習
走り出したら、とりあえず前を見て、行きたい方向に走る練習です。
怖いとすぐに足元や、前のタイヤあたりに視線を落としてしまいがちなので、「前を見るんだー。行きたい方を見るんだー。」と、繰り返し指導します。
この、繰り返しというのが大切です。100回でも200回でも、いい続けないと、心と体に染み込みません。
「何回言ったらわかるのじゃ、このアホ!」というようなことは、決して言ってはなりません。親の根気が試されますね。
なお、公園の芝生の上は、力を入れないと進みにくく、惰性では転がっていきませんので、ペダルを漕ぐ良いトレーニングになります。
小さい坂や段差、木の根っこのガタガタがあると、走りにくいし、曲がろうとすると転んだりするので、自転車を操作する感覚が、より早く養われます。
ブレーキの練習
ある程度、勢いよくスピードに乗ることができるようになりましたら、ブレーキをかけて停止する練習です。
ちゃんと止めることができてこそ、走ることができます。
ブレーキの練習は芝生より、土の地面や、細かい砂利の広場があれば、そちらでするのがいいです。
芝生の上だと、転がり抵抗が大きくて、たいしてブレーキをかけなくても自転車は自然に止まってしまうのですが、土の上だと、漕ぐのをやめても自転車は惰性で走るので、ブレーキをかけないといけません。
さらに、細かい砂利が浮いているような地面だと、タイヤがロックして滑る感覚を覚えることができます。
ズズズッとタイヤが滑る感覚は、自転車って、止まりにくいものなんだなあ、と体で理解することができます。前ブレーキと後ろブレーキの特性の違いもわかりやすいですし、うかつな操作をすると、転ぶという体験もできます。
走りやすく止まりやすいアスファルトの上では、感触がイマイチわかりにくいですね。
それでいて、アスファルトの上でしか練習していないと、雨が降ったりするといきなり感覚が変わって、転倒しやすくなるので危険です。
子供の体重と、ブレーキを握る力では、砂利の上でも、なかなかタイヤをロックさせることはできないと思いますが、理想的な急ブレーキは、まずは親が見本を見せましょう。
子供に限らず、はじめてのことって、まず、見ることで、イメージがつかみやすくなるものです。
急ブレーキで停止線にぴったり止まる
停止線を地面に描いたり、飲みかけのペットボトルなどを置いて目印にして、そのあたりでピタッと止まる練習をします。
見本を見せるときは、フルスピードで走ってきて、フルブレーキで、タイヤの跡を長々と地面に残して、白煙をあげながら派手にやると良いと思います。
子供は真似しようとして、停止線のはるか手前でブレーキをかけてしまいますが、それもまた、大人との違いを感じることができましょう。
何回かやっているうちに、ピッタリ止められるようになります。
うまくできれば、盛大に褒めましょう。
停止線で止められるようになったら、壁や木に向かって走っていって、ぶつかる直前で止まる練習も良いですね。チキンレースの練習にもなります。笑
ブレーキを掛けて完全に停車するまで足を降ろさない
町中で走っているおばちゃんには、ブレーキをかける前に、おっとっとと、自転車から降りてしまう人をよく見かけます。
横断歩道の赤信号を無視して道に飛び出して、車に当たりそうになって、オットット。
これは危険極まりないですね。
ああいうのを見ると、自転車にも免許がいるんじゃなかろうかと感じてしまいます。
子供には、ブレーキをかけたら、ピタッと止まるまで、足はペダルに乗せたままにしておきなさいと教えております。
この習慣を身につけると、バランスをとるために、ブレーキ時も直立状態を保っています。
自転車は、この状態で止まるのが一番安定しています。
完全に止まってから足を出せば、倒れずに支えられます。
ストップ・アンド・ゴー
上級技として、停止した状態から、足を降ろさないまま再発進、ストップ・アンド・ゴーという技があります。
これは、ペダルを漕ぎ出す力が足りなくて、うちの子にはできませんでした。
立ち漕ぎができるようになれば、簡単にできると思うんですけど。
スピンターン
ブレーキの緊急技としては、後輪をロックしたまま右か左に振り回して、横向きに止める方法もあります。ぶつかるーとか、飛び出すーという場合のテクニックで、場合によってはわざと転倒して、自転車だけすべらしていく、という、危機回避の技術です。
応用技としては、180度スピンターンで、進行方向を瞬時に変えるということもできます。ドリフトターンともいいます。
白バイが、対向車線の違反車を即座に追跡する訓練でもやってますね。(白バイは停止している状態から瞬時に反対方向を向くので、さらに高度です。)
私は小3くらいのときにはスピンターンをできるようになってましたが、娘にはまだ教えておりません。
危険回避の訓練
二輪車の教習にもある、危険回避の練習もしておきました。
教習所でやるのは、真っすぐ走っていった先に信号があって、その点灯した色によって、どっちに避けるかというものです。反射神経が問われる課題です。
子供には、父に向かって走ってまいれ! と指示し、ぶつかるーという直前で、手でサインを出すことにしました。
両手を前に出したらストップ、右手をあげたら右へ回避、左へ出したら左へ回避、という訓練をいたしました。
止まりきれずに突っ込まれる可能性のある、親子の信頼関係を問われる命がけの訓練でもあります。
スラローム ジグザグ走り
まっすぐ走れて止まれるようになったら、ハンドル操作の練習です。
ジグザクに、立木などを避けながら走る練習です。
最初は大きく、段々と小回りに。小回りだと、ゆっくりでないと回れないので、低速走行の練習にもなります。
これは、親が前を走って先導してあげると良いです。
自転車はハンドルを切るのではなく、体を傾けて曲がるのだ!というような理屈は、語ると子供の頭が混乱しますので、ただ、ついて参れ!というだけでよいと思います。
8の字走行
ジグザグ走りの延長というか、コンパクトにしたトレーニング法です。
自動二輪の教習にもありますし、郵便屋さんが配達の出動前にも、毎日練習してますね。
ペットボトルや空き缶を2つ立てて、その周りを回ると良いです。
ハンドルを切って細かくまわりすぎたり、途中でブレーキをかけたりすると、転ぶという体験もできます。
立ち漕ぎ
立ち漕ぎは、まだできなくてもいいかなと思いましたが、自転車はこういうふうにも乗れるよ、と見本は見せておきました。
急加速をしたいときや、上り坂、段差のガタガタを乗り越えるときは、立ち漕ぎが役に立ちます。
また、手放し走行については、してはいけない、と教えたほうが良いでしょう。将来、スマホしながら運転をしてもらっても困るし。
超絶自転車テクニックはユーチューブで
その他、サイクルサッカーやMTB、マウンテンバイクによる自転車の極限走行をユーチューブで見せておきました。
危ないことはしてほしくないですが、こういう世界もあると、はやいうちから知っておくのはいいことだと思います。
なんでも最高峰を見ておくと、意識上の上限が、ぐーんと上がるのです。
自転車は消耗品
新品の自転車をひっくり返したり、タイヤをむやみにすり減らしたりするのは、購入者の親としては、ためらいの気持ちが湧くかもしれませんが、しょせん自転車は消耗品です。
最も大切な命を消耗させないために、道具はとことん使い込み、なじませましょう。
その上で、お手入れはしっかりしておくというのも、教育です。
子供の自転車の練習は、とにかく褒める
自転車の練習に限らず、子供は褒められると嬉しくなって、一生懸命やります。
褒められるというのは、自分の成長を確認できるということです。上達を感じられると、もう今日はここまでにしようと言っても、しつこくやりたがるものです。
疲れが出ているときに無理をすると怪我をするので、物足りないくらいで終了するのがいいですが、物足りない!と思わせるのが、長続きさせる秘訣ですね。
ピアノの練習や、お勉強でもでもそうじゃないかと思います。ガミガミ押し付けて無理やりやらせると、子供は、それを嫌いになります。
こんな事もできないの!と責めると、上達より停滞を感じてしまうので、やる気を無くしますね。
山本五十六の言葉に、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」というのがあります。
子供への動機づけもまさに当てはまりましょう。
ちなみにこの続き「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」という言葉も知っておきたいです。
また、前述しましたが、繰り返し繰り返し根気良く丁寧に教えることも大事です。親が先にギブアップしてはダメです。
交通ルールを教えよう
交通ルールは、公道デビューした際に、おいおい教えていく予定です。
自転車が走っていいところ、ダメなところ、赤信号は止まる、青信号は進む、といった基本的なところから、ややこしい矢印信号の意味も、しっかり教えておきたいです。
(これを知らないと、間違った予測をして、信号無視をする恐れがあります。)
歩行者や、自動車の運転手が何を考えているか、他人の視点からみた自転車の自分、ということも考えさせたいですね。また、他人はあんがい自分を見ていないということも。
基本的には「交通ルールを守りましょう。」ですが、同時に、他人は交通ルールを守らないということと、超法規的措置もしっかり教えておきたいです。
自分さえルールを守っていれば、安心、なんてことはないですものね。
「悪いのは相手でも、死ぬのは自分。」というマインドセットは、叩き込んでおきたい。
権利と正義に守られているという平和ボケでは、世の中生きていけないということを、自転車の練習を通してでも伝えたいと思います。
ルールと権利は違うし、ルールと道徳も違うのだ、と、大人でもわかってない人はいるんじゃないでしょうか。
親子の絆が深まる自転車の練習
親子が一緒になって、学んだり、レベルアップしていくのは、貴重な時間だと思います。
なんでもかんでも、学校や塾に任せっきりというのは、よくないです。
自転車の練習も、市の講習会に参加させるのもいいですが、親が教えられるものなら積極的に教えたほうが良いと思います。
私の場合、警察官や自衛隊員と一緒に自動二輪の訓練を受けたことがあって、二輪の操作は、まあまあそれなりに指導できる自信があるのですけど、そうでなくても、子供と一緒になって遊ぶのは大事ですね。
将来の親子関係を希薄にさせたくなければ、お金儲けは一時中断しても、子供に関わるべきだと考えております。
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