護身と防災

武道・スポーツ

防災士になろうと思いまして、防災士研修を受けました。

レポートを提出し、試験も受けてました。多分合格ですけど、まだ救急救命の研修も必要です。頑張って防災士になります。

目次

防災士とは

防災士というのは、NPO法人日本防災士機構が発行している民間資格です。

防災士の資格を取得したからって、介護福祉士とか、宅地建物取引士みたいに、なにか仕事につけるわけではありません。

自然災害の知識を身に着け、家庭や職場、地域で、防災、減災の意識を持つことを啓蒙し、災害に備え、いざ災害が発生したときは、率先して避難し、他のぼんやりしている皆の衆を率いたり、避難所の運営のリーダーになったりして、災害から命を守り、復旧復興に貢献できる人を増やすための役割です。

防災士の資格は、その証明というか、重荷を担うために自分を縛る資格じゃなかろうかとおもいます。

そんな資格を、好き好んで取りに来ている同期のお仲間たちは、120名ほどおられまして、そのうち3分の1は、女性でした。

会社から言われて、やもなくという人もおられましょうが、危機管理の意識を持つ人が多いんだなあ、と思った次第。

このごろは、私の住む大阪でも、地震やら台風やら大雨で被害が出ておりますものね。

史上最悪規模になるかもしれない南海トラフ大地震は、もういつ来てもおかしくないって話でもありますし。

私は、自宅のタンスとかに突っ張り棒を入れるくらいの地震対策はしていましたが、講座を受けて、そんなんじゃ全然お話にならんということを知りました。

防災士の研修

研修は二日間、朝から夕方までみっちりとありました。二日目の最後はテストです。

防災士研修の第一発目の講義は、監察医の先生による講義でした。阪神淡路大震災で3000体以上の遺体を検視したという先生です。

パワーポイントでは、圧死、外傷性窒息、焼死による遺体の違いなど、実際の写真を見せてくれました。かなりショッキングで、閲覧注意!ってかんじですよ。

災害に対して、ぜんぜん意識や知識が足りなかったということを、思い知らされました。こんなグロテスクな映像は、テレビや新聞では出せないでしょうし、まったく認識不足の情報はたくさんあるのですね。

地震、津波、台風、豪雨、土砂崩れ、火山の噴火、テロなど、災害には沢山の種類があり、予防策や対処方法は違ってきます。

自分ですること、隣近所の人と協力すること、行政機関との連絡などなど、災害後にすべき行動もたくさんあります。

どうにもできん、ということも起こります。

そして、そういう意識や知識のあるなしで、生き延びる確率が大きく変わるのだということも学ぶことができました。

地図を見て、危険な箇所を読み取るグループワークもありまして、自宅に帰ってからわが町のハザードマップを見てみたら、ボーッと生きていたら危ないということを知りました。

防災士の試験

研修の最後は試験でした。

事前にテキストを読んで、穴埋め式のレポートを提出しており、特に試験勉強はしてなかったですが、だいたいOKでした。

国家試験でもないし、なるべく多くの防災士を作ろうという意図がありますので、ふるい落とすような問題じゃないです。合格率は高いと思います。

防災の知識は全国民が持つべき

介護のヘルパー資格をとったときも思ったんですが、こういう知識って、学校の義務教育で教えるべきことですね。

なぜ私が防災士になろうと思ったのかといえば、倫理法人会での講話で、女性の郵便局長さんのお話に出てきたからです。

へー、そんな資格があるんや―と思って、受ける気になりました。

防災士を最初に受けた団体が郵便局長会だったそうで、お話されていた方は、最初の受講生だったと思われます。

護身術と防災

私は、小学生の頃から武道を学んできました。

武道家や武術家の人って、本職が整体師だったりほねつぎだったりする人が多いですけど、私自身は医療や整体の技術・知識を持っておりません。

前職が介護職でしたので、介護の知識と技術は少々持っておりますが、武道家としては、ちょいとコンプレックスです。

子供の頃の愛読書は手塚治虫のブラックジャックでしたが、医者への道には進みませんでした。サバイバル、消防や警察、自衛隊にも興味はありましたが、どちらにも縁なしできました。親戚筋にもいないし。

それで、防災士という、なんとなくそれっぽい響きの民間資格に、心惹かれたというのはありますね。

武道、武術は、護身の技術です。

防災もまた、護身に通じるものがあると思います。

人間の暴力による脅威から身を守る、自然災害の脅威から身を守る、よく似てるじゃありませんか!

私は試合に出て勝敗を争うような競技性の高い格闘スポーツではなくて、ひたすら技をねるという自己満足の武道をずーっとやってきました。

実践で技を使ったことはありません。つまりストリートファイトの経験はありません。

暴力現場に遭遇したり、同行していたグループが諍いを起こしたことはありましたけど、私はいつもわりと冷静で、警察を呼んだり、もしくは怪我人の血止めに回ったりとかの後方支援に徹しておりました。というか、撃沈された敵グループの救助とかしてました。

技は使わなかったけど、心構えはできていたんだと思います。

交通事故現場にはなぜかよく遭遇しましたので、警察やパトカーが来るまでのつなぎの処理はなんどかやったことがあります。これも護身術の延長みたいな感覚です。

自然災害への防災も、同じ系列にあるような感じがしています。

防災で大切なこと

防災で大事なのは、自助と共助、公助ということです。

とりあえず、自力で生き延びる、家族友人知人隣近所と協力して、集団で助け合う、行政の支援も使う、ということです。

武術は自助だけで共助はあまりないようなかんじもしますが、警察に通報したりは、公助と言えましょう。ランボーみたいに一匹狼で軍隊に立ち向かうって、武術家でもあまり現実的じゃありません。

また人間相手なら、粋がって強そうに見せていれば、抑止力になるかもしれませんが、自然にはハッタリは効きませんね。自然災害は、容赦ないです。護身術なんてなまっちょろいものです。

その場の個人の力で、なんとかなるようなものではないですが、それでも個人の力で立ち向かわねばなりません。

内閣府の通達では、大災害の際は、行政に頼るな、ということになっております。

災害は、確率的に行政機関が動いていない時間帯に発生する可能性が高いですし、消防や警察、自衛隊が動いたとしても、マグニチュード9とかの地震が起これば、とても手が足りる状況じゃないはずです。

一人ひとりの行動で自分の命を守らねばなりません。

防災士は、現場の最先端で、倒壊した建物内の人を救助するとか、テロリストを鎮圧するとかいう役割じゃありませんけど、知識や訓練は自分や人の命を守ります。私がこれまで修行してきた武術とよく似ていると思います。

ともかく、予防・準備が大切。つぎは落ち着いて行動すること。これにつきますね。

日本人は、災害にしょっちゅうあっている割には、すぐに忘れて他人事と考えがちだそうです。人間の心理機能として仕方がないらしいのですが、意識して生きてまいりたいと思います。

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