纏絲の感覚

安田先生に基本功の精度を高めていただきまして、さらに纏絲の感覚が重厚重圧になってきました。

套路をやっていると、体中の纏絲がギリギリギリ、ミチミチミチと音を立てて、糸がひしめき合っているような気がします。

陳氏太極拳図説に、陳鑫老師が描かれた纏絲のイラストがありますが、あれでは線が少ないなあとさえ思えます。

樹木に、朝顔とか蔦とかの蔓が、びっしりと何重にも巻き付いているような、そんなイメージです。

跌岔からの立ち上がりも、巻き付かれている蔓に持ち上げられているようなかんじで、勢いをつけなくとも、メキメキメキと浮かされるようなかんじで、ゆっくりと、自動的に立てます。

指の先まで、びっちり纏絲が巻き付いています。

もはや纏絲の感覚が途切れるところもなくなりました。

なかなか面白く、気持ちの良い感覚でもあります。

口の中まで絲が纏わりついて、唇が歯に押し付けられて、切れたりするのはちょっと困ってますが、歯のかみ合わせは、削れてピタッとしてきたような気もします。

(歯医者で虫歯の治療跡を、調整してもらったことも関係しているかもしれませんが)

ところで、いわゆる拙力と、纏絲による勁力は、力が流れる方向というか道筋が違うのではないかなという気がしてきました。

腕立て伏せやスクワットを、体育の時間に習ったやり方でやると、しんどいですが、纏絲を意識してやると、なんだかシュパッとできます。

負担が少ないという意味ではないですが、負担を分散させることができるというか。

勁力といえば、気だとか意だとか、なんかようわからん世界の話になってきますけど、そんなややこしい話ではなくて、力の一点集中か、分散型か、そんな違いではなかろうか?

上腕二頭筋をムキムキにさせたければ、上腕二頭筋に負荷をかけて鍛えればいいですが、勁は全身に負荷を分散させるので、同じ仕事をこなしても、上腕二頭筋はムキムキにはならず、軽くこなせてしまう。ついでに、なんだか丹田が鍛えられる、そんなかんじがします。

これもまた今思いついたことなので、もうちょっと検証が必要ですね。

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