陳式楊式太極拳

私が地元で入った最初の太極拳教室で、楊式太極拳を習い始めて、もう7,8年になりますかね。

こちらの教室は、まったくお年寄り向けの健康体操教室みたいなかんじで、太極拳の要素はほとんど学べません。楊式といっても、動作の形と順番が楊式太極拳に準じるといった程度のものです。

本格的に陳式太極拳を学びなおす前に入った教室ですが、入った頃、「君のは陳式楊式やなー。楊式は楊式の風格があるから直さんとアカン」みたいに言われておりました。

「風格って何?」と真剣に悩みました。

今はもはや誰にもそんなこと言われませんが、私の動きが楊式っぽくなったわけではなく、ますます陳式太極拳の体になっております。なんならどこでも発勁が打てます。

本格的な楊式太極拳は習っておりませんので、形と順番が楊式太極拳に準じているだけの陳式太極拳をやっている感じです。

それでも、ちゃんと太極拳やってる、というかんじはあります。教室の中で一人だけ。

さて、地元の多くの太極拳教室が参加する毎年恒例の太極拳フェスティバルが、また近々開催されます。

昨年は個人で出場して銅メダルをいただきましたが、今年は団体演武だけです。(個人種目は2年に一度だけ開催)

団体演武には毎年、楊式太極拳の教室からも陳式太極拳の教室からも、皆さんと一緒に参加してきましたが、さて今年はどうしようと迷っているところです。陳式太極拳の教室から出場するのは良いとして、楊式太極拳の皆さんの中に私が混じっていると、もはや違和感しかないような気がします。目立っていいかもしれないですけど。

形は楊式、中身は陳式の総合太極拳みたいな感じ? 規定の総合太極拳は、いろんな門派の形の継ぎはぎですが、形と中身のブレンドというのは珍しかろう。

面白そうなんで、出てみようかなあ?

しかし、楊式門外漢の私が言うことでもないですが、考えてみると楊露禅が編纂した太極拳って、そんな感じじゃなかったのかなあという気もします。

楊露禅の人生の前半は、陳家溝の陳長興老師について陳氏の武術を学んでたのですから。

陳家溝を離れ、お国に帰った後、請われて宮廷の武術教師になり、激しい動作を省略して今の形に変化していったように聞き及んでおります。

動作の簡略化は良いとしても、中身まで抜け落ちては、それはもう太極拳ではなかろうと思えます。本物の楊式太極拳は、そこらへん、ちゃんとしているはずでしょう。

習ってないので、しらんけど。

まあ、大会の方は、お誘いがあれば参加し、やめといてくれといわれればやめとこうかな、といったところですかねー。

コメント

  1. 60代おやじ より:

    陳式と楊式、、、私には外形の違いは分かってもそれの意味するところは分かりません。

    見た目の奥にある違いは何なのでしょうか?

    • パパだよ より:

      異論はいろいろあると思いますが、私としては、別に違いはない、だいたい一緒、バリエーションのひとつ、ルンバとサンバ、バンとトラック、豚骨ラーメンと味噌ラーメンくらいのもんだ、という認識です。

      ダンスとして踊れないとか、荷物積めないとか、食いもんだと思ったら輪ゴムだったとか、そこまでの違いはないです。

      しかし、表演太極拳や体操太極拳と、伝統武術の太極拳では、掃除機と助産婦、バンとパン、ラーメンと能面くらいの違いがあります。

      こんな喩えでわかっていただけますでしょうか??

  2. 60代おやじ より:

    流石です。目から鱗が落ちました。この例えから私は「山頂へのルートの違い」と理解しました。そして伝統太極拳と表演太極拳は「似て非なるもの」と理解しました。
    いずれも私が秘かに願っていた回答です。

    しかし、、、だからパパ様は凄いのです。どんどん達人に近づいておられます。

    どうもありがとうございました。

    • パパだよ より:

      お褒めいただき、ありがとうございます。

      そうですね、同じ山を登っているけど、ルートの違いというか、登山靴の色が違う程度の感覚です。

      伝統と規定が似て非なるは、まさにそんな気持ちです。

  3. 60代おやじ より:

    「ルート」ではなく「靴の色」ですか! なるほど、分かるようで分からない。

    分かるようになるまで粛々と稽古を続けます。

    • パパだよ より:

      靴ヒモの結び方でもいいのですけど、ほとんど同じ、些末なところがちょっと違うだけ、というだけですね!