子供に太極拳の掤勁を教えてみた

小学4年生の娘に、ぼちぼち太極拳を教えだしています。

ふざけてばっかりで、あんまり真面目にやりませんが、まあ子供はそんなものでしょう。

子供には、大人みたいに套路の細かいことは言わず、なんとなく、太極拳の感覚というのを感じてもらおうと思います。

自転車に乗れるようにする、みたいなものですね。

遊びながらだと喜びますので、棒とかボールとかフリスビーとかバドミントンとか、いろいろ遊び道具を使いながら、やっております。

こういう遊びの中にも化勁とか発勁とか、入れられます。

遊びがメインになって走り回るので、私の方も体力増強になっております。

ところで勁の基本中の基本、掤勁を感じるのに、二人でボールを挟んで運ぶ、というゲームを思いつきました。

お互い片手を前に出して、パーにして、二人でサッカーボールを挟みます。そんで、二人で協力して、ボールを落とさないように、公園をぐるっと歩くのです。

右手同士でも右手と左手でも、それはどっちでも構いませんが、最初は利き手のほうがやりやすいと思います。

強く押さえすぎると、ボールはぷりんと抜け落ちますし、力が弱いと、スポッと落っこちです。

二人で、加減しながら歩くというのが難しいです。一人が前進すれば、もうひとりは後退になるし、ふたりで横歩きもできるし、歩法の練習にもなりますね。

原理は推手と同じですが、ボールが間に入っていると、より体で理解しやすいように思います。

パーでできるようになったら、お互いの手をグーにしてやります。更に難しくなります。これで、掩手肱拳の、肘や手首の効率の良い角度を感じられるようになります。

こういう遊びをよくやっていると、なんとなく推手もできるようになってきました。

娘は、難しい四文字熟語の要諦など、何一つ知りませんが、なんかできてます。

交通ルールは知らなくても自転車は乗れる、楽譜は読めなくても歌は歌える、みたいな感じですかね。

日本の太極拳学習者は、年老いてから、形から始めて、不足を知識で補っていく人が多いので、こういう感覚がなかなか得にくいのだと思います。

日本の太極拳業界も、本質的なところを、小さいうちから身に着けさせるようなカリキュラムを組めばいいのになーと思ったりもするのですが、まあ、太極拳を習わせたいなんて親は少ないでしょうし、普通は、空手とか剣道の方を習わせますわね…。

そういえば、保育園でやっていた空手教室は、こんなふうに遊びながらでした。さすが。

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