太極拳のバイブル

太極拳のバイブル的な文献が、いろいろとあります。

太極拳論とか太極拳術十要など、昔の名人や研究者が遺した漢詩みたいなやつです。

こんなのです。

《王宗岳》「太極拳論」「太極拳釈名」「十三勢歌」「打手歌」
《武禹襄》「十三勢行功要解」「太極拳解」「太極拳論要解」「十三勢説略」「四字密訣」「打手撒放」「身法八要」「十三勢架」
《李亦畲》「五字訣」「走架打手行工要言」「撒放密訣」「敷字訣解」「虚実図解」「名勢白話歌」
《陳長興》「太極拳十大要論」
《陳鑫》「陳氏太極拳図説」

代表的な「太極拳論」は、あちらこちらで日本語訳を見ることができますが、その他はあまり見ませんね。

私の知っている人が、日本語訳の本を作ろうとチャレンジしたことがあって、私もちょっと関わりました。小冊子になっていて、アマゾンで買えます。

しかしながら、自分が関わっておいてなんですが、中途半端で、出来がよくありません。人にあげようと思って、何冊か買いましたが、自信をもって勧められなくて、未だに誰にもあげられず、もったままです。

そんな私が、資料作りにいろいろ探していて、よくできた本を見つけました。

こちらの二冊。(クリックするとアマゾンに飛びます)

太極拳を深める!陳微明の「太極拳術」

よくわかる!陳微明の「太極問答」

去年に出版されたみたいです。訳・解説は「太極拳COM」というところです。

これも、注文したらアマゾンが印刷するシステムを利用しているのですね。出版も簡単な世の中になったなあ。

陳微明先生はおよそ百年前の、楊式太極拳の人のようです。師匠の楊澄甫(楊露禅の孫)の教えを書き残し、解説し、それを現代の太極拳COMさんが翻訳し、解説しているといるのがこの二冊です。

「太極拳術」のほうには、套路と推手の説明があり、太極拳術十要、太極拳論、十三勢歌、打手歌、十三勢行功心解の解説が載っております。

陳鑫先生が太極拳図説を書かれたのと同じ年代のようですが、陳鑫先生があまりお上手とはいいがたいイラストで解説されているのに比べ、こちらは、陳微明先生による套路の分解写真が載っております。

なんとまあ、100年前の写真が残っていたとは。

「太極問答」は太極拳学習者からの質問に、陳微明先生が答えている問答集です。100年前のQ&Aも、こんなかんじだったのかーと、なんだか微笑ましく笑えます。

漢字がズラズラ並んでいる昔の文献を見ると、はるか古代の仙人が残した難解な秘密という感じに思えるものですが、当時の人のやり取りを日本語で読むと、あんがい人間の作ったものだよなあーと、親しみが湧いてきますね。

読んで上達するかどうかはわかりませんけど、とりあえずおすすめです。

太極拳を深める!陳微明の「太極拳術」

よくわかる!陳微明の「太極問答」

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