太極拳と呼吸

日々、ちょっとずつ、上達していると思います。

套路を通していると、もうすっかり、拙力が抜け、呼吸で体をコントロールできてきたなあと感じます。

息を吸ったり吐いたりすることで、耳の下あたりから、お腹のあたりまで、引っ張りあげるような感じがあり、体を浮かしたり沈めたり、あっちむいたりこっちむいたりできるようになり、手足も、呼吸により、動くようになりました。

バランスが崩れそうになったら、手足のどこかに力を入れたり、踏ん張ったりするのではなく、息を吸うか吐くかすれば、整います。

勁が切れることもなくなってきました。

套路もそうだし、推手でも同じ感じです。

自分から、何か仕掛けなくても、相手に合わせて、呼吸を調整していれば、疲れもせず、崩されもせず、延々と動けます。

相手の自滅を待つだけです。

完全に、これまでいたレベルから、上のレベルに上がった気がしています。

そして、これまで、四苦八苦していた感覚を、忘れてきました。

できて当たり前、みたいな感じです。

この、できないところから、できてくるようになってきた感覚を、忘れないように、記録していっております。

すっかり、できる人になってしまって、できなかった記憶をなくすと、教科書を作れなくなってしまう、と思うのです。

ハイレベルの人の言うことは、下々の者には理解できません。

説明が、どんどん抽象的になっていきます。

上昇途中の感覚を、これから上がってくる人に具体的に伝えなければ。

でないと、これからの人は、ついてこれないでしょう。

すっかり到達した人ではない、成長途中の私が書いている、記録的テキスト、けっこう貴重なものじゃないかなあーと自負しておる次第です。