太極拳 膝を爪先より前に出さない?

太極拳を習うと、「膝を爪先より前に出してはいけません! 膝を痛めるから!」という指導をよく耳にします。

ですが最近、この指導って、どうかなあ、という気がしてきました。

たしかに、形としてはそのとおりだと思うのですが、膝を前に出さないという意識だと、なかなか習慣にならないし、そもそも、本質的な話でもないと思うのです。

だいたい、膝と爪先より前にはみ出しているかどうかは、自分ではわかりにくいです。

鏡の前に横向きに立ってみないとわかりませんね。

それも、前足だけ注意していても、後ろ足は全然、気にもしていないという人も結構おられるように思います。

後ろの足でも、膝が爪先より前に出ていては、負担がかかりますから、膝痛になりますよ。

私が最近意識しているのは「膝に体重を載せない」ということです。

これは、私自身が、膝痛になってきてから意識するようになりました。

膝が痛いとき、膝がねじれているのかなあ、角度が悪いのかなあ、と試行錯誤しておりましたが、膝が爪先よりはみ出ていないようでいて、まだ体重が膝に載っているからだ、と気づいたのです。

それで、極力、体重を後ろ側、お尻の方に落とし、幻の椅子に腰掛けるようにして、膝はフリーのラクラク状態を心がけました。

膝に体重が載らないといっても、ゼロではないでしょうが、大部分は、お尻の下にスコンと抜ける感じで、膝の負担がなくなります。これだと、膝が痛くないです。

形としては、当然、膝は爪先より後ろになります。

ついでに、尾閭中正、泛臀下坐の要諦にも合います。

雀地龍や伏虎のように、相当低く沈んでも、膝に体重は載らないないので、どってことはありません。(ただし勁がある程度、整っていないと、立ち上がれないかも)

套路のすべての動作で、膝に体重を載せないと心がけると、動きがどんどん良くなっていっている気がします。ペラペラだったのから、粘りも出てきたように思うし、推手でも、どっしりしてきた、と好評です。

ということで、膝痛に悩む太極拳学習者は「膝に体重を載せない」というふうに、意識転換するのが良いと思います。しらんけど。

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