蹴りのある推手

月に一度、いろんな武術の人が集まる推手の会がありまして、時々参加しています。

太極拳の人もおられますが、空手とか合気道とか、ほかの武術からも、数寄者というかへうげものというか普通じゃない人の集まりです。

推手はよくわからないという人には、私は教える側になりますが、その武術の特徴を生かした推手をやってくる人には、私も、これまで学んできている太極拳でどう対抗できるか、ガンガンと試させてもらっています。

毎回一番刺激を受けるのが、去年、競技推手で優勝された同門のI氏と、準優勝された、流派は忘れましたが古武術のO氏です。

I氏とは、日頃なかなか練習できない大捋推手ができ、面白いです。

O氏は、バリエーションがものすごく豊かで、太極拳の人相手とは全然違う対応が必要で、武術の感覚がすごく磨かれます。

脇腹に当て身を入れつつ、首を刈りつつ、足を薙ぎ払うみたいなコンビネーションです。密着の超接近戦なので、太極拳との相性は良いです。

O氏には、さんざん、石畳の上で散々ひっくり返されております。私が受け身をとれるので、安心して技を繰り出してくれているみたいです。

上下のコンビネーションは、バラバラな動作でなくて、上下セットで一つの技といった繋がり感が抜群なんですが、これ、太極拳も同じはずなのですよね。太極拳の運歩はそのまま蹴り技です。蹴りを意識しなくても、そこに相手がおれば、足払いになったり、踏んづけたり、蹴っ飛ばしたりになるはず。

そういう部分をここでは試させてもらえるので、面白いのです。

日頃練習している24式スタイルの推手の皆さん相手では、そこまではなかなか。

普通にひょいと足を上げるだけで、金的に入ってしまうような人がほとんどで、武術を意識している人は少ないです。

私が主催している教室の生徒さんは、妙齢の女性ばかりです。推手でひっくり返したりはしませんが、そんな感覚も、ちゃんと伝えるべく、工夫しておる次第です。

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