せどり副業について思うこと

副業にはせどりが最高! 月収10万円! ということを中田敦彦のYou Tube大学でやっておりまして、面白く見ておりました。

実は私も、いっとき、あるグループの中の、せどり担当として、やっていたことがあります。

古物商許可を取って、アマゾンフルフィルメントに契約して、中古本をビニール詰めして、ラベルを貼ってダンボールに何十冊も詰めて、アマゾンに送る、というようなこと繰り返しておりました。

私の本棚で何年も眠っていた本が、何万円もの高値で売れたり、ブックオフで買ってきた本で利益を出したり、なかなか面白くはありました。

個人が、余暇で、コツコツ楽しみながら、小遣い稼ぎをするには良いと思います。

しかし、中田敦彦も言っておりましたが、これは、ビジネスを始めるための練習というか、商売感覚を養うための体験、という程度にしておくのがいいように思うのです。

箱詰めばっかりしていて嫌になりながら、つくづく思ったのです。

これ、一番儲かるのはアマゾンやなー、消費者もせどらーもアマゾンの掌の上で踊らされておる、と。

そして、情報を先取りして、うまく立ち回って、利ざやを稼ぐというせどらーというご商売、卸売業や仲介業とも違って、コスい商売だと思ったのです。

私がやっていたころは、100円の古本がいい値段で売れたりもありましたが、今は古本屋さんがネット出品もするようになってきて、旨味は減っているように思います。

個人の副業レベル以上の規模に拡大するのは、難しかろうという気もしますね。本業にするようなものでもないでしょう。

そもそも私、それより以前に、自動車ディーラーに勤務していて、その時に、おんなじようなことをしておりました。

地方のカーディーラーや、中古車屋を回って、お買い得そうな中古車を仕入れて、オークションに出すとか、オークションで仕入れて、近所の中古車屋さんや貿易商に売るとか、せどりみたいなこと、やっておりました。背取りというのは、背表紙を見て、ピン!と相場がわかって、本棚から引き抜いて儲けるというのが語源らしいですが、私も当時流通していた国産乗用車の相場は、だいたい頭に入っておりました。

当時は、スマホアプリじゃなくて、紙のオークションブックが目安でした。

毎日、オークションブックを眺めていて、もう、道を走っていても、前後左右に走っている自動車が数字に見えてきたほどです。

そのように本業でやっていて、面白くはありましたが、だんだん虚しくなてきました。あっちからこっち、こっちからあっちと車を動かして中抜して、こんな毎日で、自分の人生が向上するか? という気になってきたのです。

業界にオークションプロと呼ばれる人もいました。(私も一応その一人だったわけですが)

オークション会場で、これなんぼで買う、これはなんぼまで、これは高すぎ、とかつぶやきながら、一日に百台くらい競り落としている名物社長がおられまして、みなの尊敬を集めておられましたが、ある日いきなり倒産。えらい事件でした。

規模は小さかったですが、取引のあったオークションプロの人も、ある日破産。売掛の残っていた商品を、引き上げに行ったことがあります。いい人だったので、気の毒でした。担当のお客でもなかったのに、車を引き上げに行かされる私も気の毒だったです。

そんなこともあって、転売商売というのに、やや嫌気を感じたのが本音です。

この目利きは、古今東西私しかできん! というような特殊な分野とか、遺品の整理とか引っ越しのお片付けとか、誰かのお助けになるような商売なら、やりがいも感じそうですが、普通に流通している中古品を、ネットからネットへとか、少々儲かっても、時間を使いたくないです。

今の私は、太極拳のテキストを作っています。数人の生徒さんのために作り出したのですが、書き直し、書き加えをどんどんやっているうちに、なかなかの分量になり、内容も濃くなって、構想も膨らみ、完成したら、100年のこる本になるんじゃなかろうかと、自画自賛しております。

こんなの、ベストセラーになって大儲けできるようなものではありませんし、市販するつもりもありませんが、すごくやりがいを感じております。

そういうことに時間を使っていきたいです。

まあ、暮らしていくのに不足のない経済状態であるからこその話ではあります。

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