目標達成型より天命追及型の生き方

白駒妃登美さんの「古事記に学ぶ天命追及型の生き方」という講演を聞きまして、ほーなるほど! と大変感心いたしました。

日本人の成功哲学は、欧米の「目標を設定して、それにむかって頑張って成功する」という目標達成型じゃなくて、「天のお導きに従って、ベストを尽くす」天命追及型の方が合っていますよ、というお話でした。

実は私も、薄々そう感じていたのです。そうだよねえ~と大変、共感できました。

私もかつて、いろんな成功哲学のセミナーなどに参加しました。

ナポレオンヒルの「思想は現実化する」とか、アチーブメントの選択理論とか、欧米発祥の成功哲学です。

目標を決める→潜在意識にしみ込むほど強く願う→計画を立てて実行する→ひとつひとつ達成する→成功する→幸せ!

という流れは、たいへん合理的で、まっとうであり、実行が目にも見えて、わかりやすい、これだ! と思いまして、頑張ってみました。

ところがですね、年月がたつほどに、だんだんと、最後の、成功する→幸せ! というところで、これ、ほんま? と疑問がわいてきたのです。

たとえば今は消滅したコムスンのやり手の若手社長だったO氏は、たしかナポレオンヒルを学んで、ギラギラのイケイケドンドンでいろんな事業を成功させてこられたようですが、なんか、あんまり幸せなイメージが湧いてきません。

直接知っている人では、大阪の有名な幼児教室経営者の方も、ナポレオンヒルで、ゴリゴリやっておられた成功者でしたが、なんだかいい感じに思えませんでした。

私の場合、目標設定して、頑張ろう! と思ったことは、あんまりうまくいかなくて、これは頑張りが足りんかったのやなー、教えをすべて実行できていないせいやなーと思っておりました。

しかし、案外とうまくいっていることって、特に目標設定もせず、それほど強烈に望んでいたことでもなかったりします。

なんとなしに縁とか運とか、流れに任せていたら、なんか、いい感じになってきたなあ、そういえば、こういうのって昔から憧れていたかも、ということが多いです。

誘われたから、勧められたからと、ハイハイ言っていたら、なんかうまいこといってた、というケースが多いのです。

内心、うわ、忙しいのに…とか、邪魔くさ、とか、そんなんようせえへんわ自信ない、とか思っていても、ハイハイ言ってしまう習慣が子供のころからありまして、あとから振り返ってみれば、それが良かったなということが多いです。

最初から、目標達成型より天命追及型の生き方をしていたなーと、あらためて気づきました。

白駒さんが言うには、目標達成型は、達成した、成功したとしても、それは自分の望んだことであり、そのイメージ以上のことは起こらない、でも、天命に従って人事を尽くして居れば、自分が想像もしていなかったような大きなことを成し遂げてしまったりする、ということです。

私もただいま、とある団地建て替え事業のリーダーを務めておりますが、特に望んだわけでもなくて、ちょっとやったってや、みたいなノリで頼まれて、ハイハイと引き受けたものです。

引き受けた時は、あんまりイメージも沸いてませんでしたが、今どんどん形になってきていて、重責を感じだしているところです。

報酬もないし、権力もないお役ですが、事業が進むことは嬉しいですし、いろいろ勉強になって、自分が成長しているなあーと感じて、まあまあ幸せです。

似たようなことは他にもいろいろありました。結婚もそうだし。たまたまの縁と運でした。

私が今一番熱心にやっている太極拳にしても、なにか目標設定して、成功を実現させようとか考えていたわけでもありません。

安田先生との再会も偶然だし、教えてーといわれたから教室も始めたし、大会に出たら?と誘われて出てみたら優勝してしまった感じです。

でもどれも、それなりに真面目に熱心に、人のお役に立てるようがんばってます。

今後もこの路線で生きていこうと思います。

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