太極拳の質問。独習について。

コメントにてご質問をいただきました。

60歳から陳式系統の通信教育で太極拳を始めました。仕事都合で教室に通えるのは平均して2ヶ月に1回程度。現在63歳です。この流派の24式を覚えたところで採気功を重視するのが特徴です。一人で練習していると「これは正しいのか?」「自分は上達してるのか?」と不安です。50代パパ様のブログを拝見してきましたが、他に幾多ある太極拳ブログの中でも本物の香りがします。今はかの安田先生にご指導を頂いているとの事ですが、長い間独習されてきたとの由。それでかなりの上達を遂げられた秘訣が知りたいです。真剣に50代パパ様に教わりたいと思っていますが、何かアドバイスを頂けないでしょうか?唐突にコメントを差し上げたうえ、誠に厚かましいとは存じますが、何卒よろしくお願いします。

ご質問ありがとうございます!

このブログを読んでいる人って、はたして存在するのだろうか? と、何の期待もなく、ダラダラ書いていたのですが、ちゃんと読んでくれている人がおられたのですね。

たいへんうれしいです!

このコメントでビックリしたのが、太極拳の通信教育があるということですね。

動画で昇段試験を受けられるという話は聞いたことがありますが、通信教育があるというのは驚きでした。それは私の知らない世界です。世の中、進んでますねー。

ご質問は、独習で上手になった秘訣は? ということだと受け取りました。

お答えいたします。

独習では上達しません。(身も蓋もない回答ですみません。)

私が最初に陳式太極拳を習ったのが20歳くらいの頃。2年間、毎週2回くらい教室に通ってました。

一通り、套路は覚えました。推手も形ばかりは、やってました。

しかし、カルチャーセンター的カリキュラムの教室でありまして、たいした内容は教わっておりません。裏教室的なのがあって、本物のナイフを使っての訓練とかもありましたが、あれもインチキ臭かったです。

社会人になって教室から離れたあとも、習った套路は、ひとりで毎日練習していました。老架式一路と二路です。

毎日やってはいましたが、これで合ってるのかな?と不安でした。忘れないようにやってる、というだけのことでした。

20年ほどしてユーチューブで、私の最初の先生である、陳正雷老師の動画を発見しました。感動して、何百回と見直して一生懸命真似しましたけど、今思うと、上達という点では、あんまり意味なかったです。

結婚して、妻が通っていた楊式太極拳教室に入りました。

これまたカルチャーセンター的カリキュラムで、形ばかりの太極拳でした。

この教室の内容は、どうということもありませんでしたが、それでも御縁が広がりまして、推手の集まりに参加できたり、他流派ですが伝人の先生に教えてもらえるようになったりして、ようやく本当の太極拳の世界に片足を突っ込むことができるようになったと思います。

近所で陳式太極拳の教室も発見して、通い出しました。こちらの先生は、なかなか質の高いことを教えてくれましたが、教室としてはやはりカルチャーセンター的なノリでした。

個人的にお願いしたら、たぶん深く学べたと思うのですけど、私の目指すところとちょっと違っていたので、そこまで熱心にはなれませんでした。

でも、なんでもかんでも御縁を大切に首を突っ込んでいったのは良かったと思います。費用と時間はいることですけど。(といっても、太極拳の世界、費用はしれておりますね。)

急激に上達したなあーと思えたのは、やはり、かの安田先生との再会です。たまたま偶然の、25年ぶりの再会でした。

私が、昔から憧れていた世界を、まっすぐに突き進んでおられた先生が安田先生です。再会してすぐ、教えてもらおう! と決心しました。

このときから、太極拳の世界に、両足突っ込めたように思います。

安田先生に習い出すと、一回一回のレッスンがものすごく深くて、感動の連続でした。

これまで練習してきたことが、すべてデタラメに思えるほど、深いことを教わりました。

毎回、レッスンのあとは、そこらの道の駅に入りまして、トマトとかキュウリとか食いながら、ノートにびっしりメモしてました。

自宅に帰ったら夜中ですけど、すぐ復習。翌朝は早起きしてすぐ練習。

ちょうど新型コロナ騒動があって、私も仕事がヒマになり、おかげで朝から晩までひたすら練習できました。

これまでの独習期間25年分を、あっさり更新できるほど上達できたと思います。

安田先生の指導は、全然厳しくなくて、これをやりなさい! というような宿題はないのですが、これをやっとくといいですよー、というアドバイスはあります。

私はそれ全部やりました。

武器をやっとくといいですよー、と言うてはったので、全部学ぼうと決意しました。

マンツーマンで教わるときは、教室で他の生徒さん達と学ぶときより、より深く学べました。

それら貴重な教えをいただけたのは、ちょっと自慢になりますが、私が素直だったからだと思います。

この世界、学習歴の長い人はたくさんいますが、なんだか変なプライドとか持っていて、自意識過剰で、妙ちくりんなウンチクかまして、マウントを取りたがる人が多いです。

そんな人は、おそらく誰から何を学んでも、上達しないです。

上達できる人って、自分は何も知らないと素直に認められて、熱意を持って、努力できる人ですね。

本物を求める熱意が必要です。淡々と鍛錬、努力できる熱意も必要です。

そして、運も必要です。

本物を教えてくれる先生に出会えるという運です。

私は出会えました。ラッキーです。

本物に出会っているのに気づかないという可能性もありまして、そこはやっぱり素直さが大切だと思います。

本物が目の前にあるのに、なんだかんだイチャモンつけてスルーしているような人もおられるのです。もったいない。

以上が、私が上達しているかなあーと思えるようになった理由だと思います。

人に教えるようになったとか、自分でもテキストを作るようになったとかいうことも多少は影響しているかもしれませんが、一番の要素は、真剣に求めた、素直に頑張った、というところに尽きるかと思います。

60代おやじさん、期待に添えたかどうかわかりませんが、これが私の包み隠しのない回答になります。

ご参考になりましたら幸いでございます。

また、今後とも、よろしくお願いいたします!

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