初めてオペラを鑑賞いたしました。
うちの子の合唱部の先生が出演するということで、応援の鑑賞です。
演目は「ジュリオ・チェーザレ」。ジュリアス・シーザーのイタリア語読みだそうです。
こじんまりしたホールで、役者は8人、伴奏はピアノだけ、舞台装置は照明と字幕だけ、というシンプルさでした。
歌もセリフもイタリア語です。衣装が、あんまり時代劇がかってなくて、ローマ人、エジプト人がわかりにくく、女性が男役をやっているので、配役もわかりにくかったです。
というか、そもそもお話を知りませんので、パンフレットを見比べながらの鑑賞となりました。
あらすじは、こうです。
ローマの将軍がジュリオ・チェーザレです。女に弱いですが、比較的まともな人です。
チェーザレの政治上のライバルにポンペイオスというのがおりまして、チェーザレに負けて、エジプトに逃げます。
チェーザレも追いかけてエジプトまで来ます。
ポンペイオスの奥方が息子と一緒に、旦那の命乞いのためチェーザレを訪ねてきます。
チェーザレが、よっしゃ、かんにんしたろ、と赦した時、ポンペイオスの首が届きます。
ギャー、なんちゅうこと?
エジプトの暴虐な王様トロメーオが、ポンペイオスを捕まえて処刑したのです。
ということで、ポンペイさんは首しか出てきません。というか、首が入っているという小道具の包みがでてくるだけ。
悪の王様トロメーオ役が、合唱部の先生なんですが、かわいらしい女性でして、全然極悪非道に見えないんですよね。なんであんな配役なんやろ。
トロメーオが、なぜポンペイさんを殺したかというと、ポンペイさんの美しい奥方を奪おうとしてです。ついでにトロメーオの腹心の部下アキッラも、奥方を欲しがりまして、のちにトロメーオを裏切ります。
このふたりは、女に狂ったアホです。
二人の権力者が争って手に入れたくなるほどの、美貌の奥方ということなんでしょうが、これも配役が…。
極悪王トロメーオと権力争いをしているのが、姉のクレオパトラです。
絶世の美女です。
あっ、姉ちゃんが美貌すぎて、弟の好みが、ちょっと違う方向が走ったのか?
姉と弟は、仲が悪いのです。
クレオパトラは、弟から王座の権力を奪おうとして、ローマ将軍チェーザレを利用しようと企みます。
でも、うっかりチェーザレに惚れてしまいます。
チェーザレもクレオパトラに惚れてしまいます。相思相愛。
すったもんだで、死んだり死んでなかったりいろいろあって、ポンペイオスの息子、ひ弱な坊ちゃんセストが、父の仇! とトロメーオを刺し殺して、チェーザレとクレオパトラも結ばれて、めでたしめでたし。
途中で15分の休憩をはさんで、2時間の舞台でした。
いやあ、面白かった!
…と言えればいいのですけど、正直なところ、物語の何が面白いのかよくわかりません。
恋愛もの? 仇討ちもの? 大団円はこれでええんか?
まあ、代表的な西洋の音楽文化に触れる体験ができたので、良かったかなというのが感想です。
出演者さんたちの歌は、上手! イタリア語も覚えて、すごい! さすが先生!と思いました。
子供にも、よかったねえ~と言ってます。
しかし! 言葉がわからなくても、心が震えて、涙が出た! ってほどではなかったです。
私が音楽に感動できないセンスなし、ってことはないと思います。スティービーワンダーのライブを見に行ったときは、涙が出ましたもんね。
所詮、日本人が外国文化の形をうまく真似ているってとこでしょうか。
表演の套路を見て、上手ですね、很好!很好!みたいなかんじかなあ。
ルチアーノ・パヴァロッティが歌ってたら震えたかもしれません。
機会があれば、一流のほんまもんのオペラ、見てみたいです。
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