太極拳の虚実分明を、明確に感じるようになりました。
重量配分の虚実です。
安田先生に習い始めたころ、弓歩の体重配分は、6:4でも7:4でもなくて、10:0だ!と教わったのです。
私はこれを、なんかの比喩的表現かと思ったのですが、だんだん、いや、これは本気だ、と思うようになりました。
しかし、自分の体では再現できず、なかなか10:0の感覚をつかめませんでした。
地面に両足がついていると、どうしても虚の方の足にもなんぼか体重が載ってしまってました。
それがついに、おおー、完全に10:0になっとる!と、慢錬をしていて気づきました。
虚実10:0の状態というのは、たとえば独立式ですね。これは、片足立ちなのだから、アタリマエです。
それが、懶扎衣や単鞭のような、大股開きの弓歩でも、同じように10:0になっているということに気づいたのです。
虚の足は、地面についてはいるけれど、体重は全く載っていない状態です。というか、浮き上がりそうになるのを、足の裏、勇泉あたりで、吸い付けているかんじ?
套路の最初から最後まで、両足に体重が載ることはありません。(実際に両足の下に秤を置いたら、ちょっとくらいは針が動くかもしれませんが…)
常に、沈んでいる感覚と、浮き上がっている感覚が、同居しています。
油断すると、金剛搗碓の震脚のときに右足にも載ってしまいそうになりますが、そこは意識して、虚で震脚します。
虚の足で地面を踏みしめたり蹴ったりすることはないので、低い姿勢からの起き上がりも、浮き上がるようにして立ち上がれます。
これは、なかなかに快感なのです。
鏡を見てみると、いかにも太極拳!というかんじになってきたなあーと、感慨深いです。
この感覚、太極拳をやっている人、みなさん感じているのだろうか???
この感覚は、単純に、片足に全体重を載せればいいというものではないです。そんなのでできれば、私も3年前にはできています。
やみくもに全体重を片足に載せていたら、いびつな姿勢になって、動けなくなって、体を壊すでしょう。
むやみに低い姿勢で站樁功をするのも同じですね。
やはり、これも纏絲の働きです。纏絲が全身を協調させて、片足立ちを可能にさせています。まずは纏絲の勁を養うのが先です。
結局ここでも、基本功という話になりますね。やはり、基本功をとことん錬る!ということは太極拳上達のためには必須です。
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