太極拳は絶滅の危機にある、という話を聞いたのです。
確かに! と同意してしまいます。
高齢少子化で、若い世代がいないということもありますけど、本物の太極拳が、伝承されていない。このままだと途絶えてしまうってことです。伝統芸能とか伝統工芸みたいなものですね。
表演競技は盛んだし、競技推手もありますが、それらは、太極拳っぽいスポーツです。
武術太極拳という名前がついてはおりますが、武術とはいいがたく、ひどい言葉で言えばハリボテです。
日本刀は日本刀の工程で作るものが日本刀なのであって、削り出しの鉄板をグラインダーで、ギュイーンと削って同じ形にしたところで、それは日本刀ではありません。
素人がリングの上でグローブをはめて殴り合いをしたところで、それはボクシングではなく、基本の技術を積み重ね、己の肉体をボクシング用に鍛え上げて初めてボクサーといえましょう。
太極拳も同じで、伝統の練習法で総合的に鍛え上げていかねば、伝統武術といえないと思います。
日本では、武術太極拳連盟が業界をリードしています。
連盟に所属している団体に所属して、連盟の大会で金メダルをいただいた身としては、大きな声では言いづらいですが、伝統の太極拳の伝承を目指している団体ではないですね。
級とか段とか指導員資格とか、金メダルとか銀メダルとか、普及には役立つと思いますが、伝統の伝承には、あんまり関係ないなあ。
安田先生は、弟子募集!とフェイスブックで書かれていましたけど、応募者はいたのかしら?
私も一生懸命に学んで鍛錬してはおりますが、私では、次世代に伝える伝承者にはなれますまい。
だいたい、私と先生は同年代でありまして、学びの途中の私に学ぶんなら、安田先生から学んだ方が良いに決まっております。
それでも近頃は、自分の学んでいる素晴らしい太極拳を、誰にも伝えないで、一人で楽しんでいるというのは心苦しい気分になってきました。
マンション自治会では教えておりますけど、高齢女性ばっかりで、私の学んでいる内容の十分の一も伝えられません。
教室の皆様には、ちゃんと立てて、ちゃんと歩けて、ちゃんと息ができていれば、まあ良し、というところです。
いろんなところで、推手の技術を試したりもしてますけど、太極拳全般、系統だって日々一緒に練習できる相手というのは、今のところおりません。
妻が一番近いように思いますが、あんまり熱心じゃなく、しゃーなくつきあってくれているかんじ。(それでも、そこらの有段者より上手になってきたような気もしますが)
どんくさくてもいいので、情熱をもって、地道なことも飽きずに、根気良くつきあってくれる、素直な若者が、弟子入り希望で現れないかなあ~。
遠いと続かないと思うので、町内とか、近隣で。
帰宅部の暇な学生とかでもいいんですけど。(甥っ子がそうでしたが、関心持ってもらえませんでした)
私自身が総合的に上達したいというのが、いちばんの願いですが、それが伝承のお役に立てれば、なおよし、というかんじです。
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