太極拳の歩法というのは、股をスライドさせて開く、骨盤が開くようにして歩くのだ! ということを、ずいぶん前に教わりました。
具体的には、仙腸関節のつなぎ目の隙間を広げるということでした。
これが可能となれば、あの太極拳独特の体術が可能になるということなのです。
現代の日本社会で、腑抜けた生活習慣を50年も重ねてきた、支那人とは骨格も違う中年日本人男性の私に、骨盤を広げるのは難しかろう、と思っておりました。
太極拳のいろんなコツをつかんではきたけれど、こればかりは一生無理かも、と諦めていたのです。
しかし!それが!ついに!骨盤が開く感覚を得ました!
もしかしたら、まあまあ前からできるようになっていたのかもしれないのですが、最近、三尖相照などに気を遣うようになって、骨盤の動きに気づいた次第です。
推手のテクニックをつかんだとか、理論を理解したというようなものでなく、肉体の進化です!
進化というか、本来の自然の体に戻っただけといえるのかもしれませんけど、ともかく、太極拳歴32年にして、ようやく太極拳の体になってきました。
テクニックや理論より、体を作り替えこそ、武術と言えるんじゃなかろうか? とさえ思えてきます。
身体の変化は、地道な鍛錬をひたすら繰り返してきた成果だと思います。
站樁功で日の出を待つとか、雀地龍を毎日128回繰り返すとか。
そういう、拳法の練習とも言えないような、地味なことこそ、肉体を変化させるのだと思います。
上っ面の知識や、技術を集めたところで、ウンチクおじさんの域を出ることはありませんが、先生の教えに素直に従い、ダラダラと日々、繰り返してきたこの数年で、相当に変化しました。
正しく学んで、正しく理解して、正しく鍛錬する、これが大事ですね。
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