教えすぎはダメ

あっちこっちで教えてーと声をかけられるようになってきた今日この頃の私です。

だいたい教えを請われるのは推手ですが、ワンポイントアドバイス、ちょっとしたパラダイムシフトで、見違えるように上達されるのを見るのは、とっても楽しく嬉しいものです。

ところが!

肝心かなめの、私の主催する、自治会協賛の太極拳教室の皆様が、一向に上達しません!

全員初心者で癖のない分、上達しやすいはずなのに!

基礎からみっちりやってんのに!

テキストまで作って、配布してるってのに!

最初の単鞭までは毎回みっちりやっているので、とりあえず手足の動かす順番は、なんとか覚えてくれたようです。

それじゃあ、たまには違うところもやってみようかと思って、単鞭の次の「白鵞亮翅」をやりました。

一回見本を見せて、みなさん、やってみて、というと、なんと、だれ一人できない!

一応毎回、套路は通しているのです。これまでもちょこちょことは説明しているのです。もう3年もやっているのです。

それが、まったくできない!

どういうこっちゃ!

「もいっかい、一緒にやって~」とリクエストが出ましたが、ちょっと私も策を練りまして、「いや、記憶をたどって、自分でやってみてください。皆で相談しあってもいいから。」と、時間を取りました。

シンキングタイムです。

なんとか、出鱈目な感じながら白鵞亮翅っぽくなりましたので、そこでもういちど見本。すると、ああ、そこが違ったとか、間違いを認識してくれます。そんでまたシンキングタイム。

これを何度か繰り返して、脳味噌に汗をかいてもらいました。

こういう、シンキングタイムを取ったのは初めてですが、必要な要素だったかもしれないなあと反省しました。

これまで教えすぎてました。一から十まで見本を見せて、説明して、手取り足取り教えて、それで身に着かぬ。

思考のチャンスを与えていなかったのですね。受け身人間を作っておりました。

「推手、教えて~」と言ってこられる皆様は、私に聞くまでに、あれこれ試行錯誤して悩んで苦しんでおったのです。乾いてカラカラのザラザラ。

そこにポチョンと一滴のヒントを私が出すもんだから、みるみる潤うのですね。

うちの教室のメンバーは、情報が飽和状態でタプンタプンになってアップアップして、なんも吸収できてなかったのですね。

3年教えて、やっとわかりました。教えすぎはアカン。こんなけ濃い情報を伝えている! というのは私の自己満足だったかもしれません。

テキストは、内容を練り上げるため書き直し続けておりますが、配布のタイミングは、もっと様子を見ようと思います。わかってないうちから与えすぎておった。

様子を見た結果、誰の手にもわたりませんでした、となりかねませんが、それはそれでもいいや。

誰も知らなかった百年前に書かれた幻のテキスト! みたいに扱われるのも面白いような気もします。

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