今年になってから、推手道場に来られるようになった方がいます。
推手どころか、太極拳そのものが、まったく初めてという、ママさんフラメンコダンサーです。
来られるようになって1月半、いままでお手合わせも何もしたことはなかったですが、他の人から「ちょっと教えたげてー」といわれて、一緒に練習しました。
まるきり初めての人なので、太極拳用語もわかりませんし、基本功も何もまだ早いって感じで、立ち方を説明し、体の軸を感じてもらうために、いわゆる「水汲み」と「麦踏み」をやってもらいました。
「水汲み」は、左右の足に体重を移動させ、体の方向を45度変換させる訓練で、「麦踏み」は、太極拳流四股踏み、金鶏独立を左右で繰り返すというエクササイズです。
そして、陰陽の概念と、纏絲の概念を軽く説明。他の人から、怪しげな理論を吹き込まれる前に、大雑把でもまともなイメージを持っといてもらおうという意図です。
套路の形を覚えるより先に、太極拳のできる身体づくりから始めるのが、上達への最短ルートです! と説明しました。
学ぶ態度が、ベテランの「でもでも女史」より、素直でグッド。反論しないで、ちゃんと聞いてくれます。
なにしろ金メダリストになりましたから、言葉にも重さが出てきたってものです。こういうところで、金メダルの値打ちってありますねー。
私としては、刀の金メダルより、拳の銅メダルに、より重みを感じているのですけど、素人には金メダルの光がまばゆいのでありましょう。
「站樁功と、このふたつを毎日128回ずつ3か月やってみてください」と宿題を出しておきました。
バランス感覚が良くなって、歩き方も変わるし、フラメンコのタップ(サパテアード)も、バシバシにできるようになりますよ! と予言しておきました。
さて、3か月間のおよそ100日、毎日まじめにやってくれるか、変化がどのくらいか、楽しみであります。
あまり成果が出てなかったら、修業が足りーん! といって、もう3か月延長するつもり。
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