私の通っている推手道場では、それはちょっと太極拳じゃないよなあーというような練習も、よく行われております。関節技とか、相手を突き飛ばす練習とか。
そういった環境の中でも、自分の信じる太極拳の要諦を守り切って練習してきて、今の私があるかな? と思っています。
この道場は、だれが指導者で、だれが生徒ということもないのですけど、自然とキャリアの長い人が教えるような感じになります。
キャリアは長くても、一つの門派で徹底的に学んできたという人はいなくて、皆様、まぜこぜです。何なら、太極拳以外も混じっている感じです。私の考えている太極拳じゃないことは、多々あるのです。
そんな先輩先生方がいろいろ教えてくれるのですけど、これを素直に受け取ってしまったら、ズレてくるなーと感じまして、素直に指導を受けるふりをして、脳内変換して、咀嚼して、理解して、私の思う太極拳が通用するか試したり研究したりしております。
道場なので、それでいいかなと思っています。学ぶのが目的の教室なら、自分の見解など一切挟まず受け取ります。
勁が未熟だった時は、強い力に負けっぱなしでしたが、このごろは、わりと力を使わず、対応できるように成長してまいりました。
で、体当たりの練習です。
衝撃吸収用のマットが立ててありまして、その前に立っている相手を突き飛ばす練習です。
この練習は、太極拳の上達の弊害になると思って、日頃、私は避けているのですが、この日は逃げ切れず、K先生の指導を受けることになってしまいました。
しかし、言われるままに、ぶち当たるようなことはせず、近寄ったところで、足を止め、K先生にひっついたところで、太極拳の擠勁を発してみました。
K先生は、気持ちよくマットに飛んで行ってくれまして、おっ、効いた!と思ったのですが、そうじゃない、足を止めずに、体当たりするんだと言われましたが、飛んで行ってるんだからいいじゃんと思ったのですが、はいわかりましたと答えましたが、やっぱり発勁を試し続けさせてもらいまして、K先生は飛びっぱなしで、うむ、今までできなかったことが、できるようになっている!と気づいて、嬉しかったのでありました。
相手なしに、直接マットに体当たりしてみよ、といわれまして、離れたところから体当たりをぶちかますって、アリか? と思いつつ、そうだ、玉女穿梭で飛び込んでみようと思いまして、1メートルほど離れたところから、ぴよーんと、マットに体側をぶつけていきました。
踏み込む勢いで飛ぶのではなく、足を振り上げる勢いで浮きます。沢村忠の真空飛び膝蹴りみたいな感じでしょうか?
踏み切っていないし、頼りない感じに思っていたら、これが意外に衝撃が大きく、マットの反動で、道場の反対側まで跳ね返ってしまい、我ながらビックリ。
この勢いで人間相手に体当たりしたら、立ってられる人はいないんじゃないかなあと思った次第です。
体当たりのエネルギーは、みくびれんなあ。
しかし、こちらが浮いている間に、避けられて、打たれることを考えたら、自殺行為に等しいなあとも思った次第。
やはり太極拳の体当たりは、密着したところから、自分の圏内で発する靠勁だな、と確信いたしました。
コメント