小説家の百田尚樹大先生が、今話題の三浦瑠璃さんが大学生の時に書いたという論文をネタに、文章を書くときの心がけの話をされていました。YouTubeで。
論文でも小説でも、わかりやすく、面白く、伝えたいことが伝わるように、そして「心を打つ」ことが大事、と百田先生は言っておられました。
私もブログをダラダラと書いておりますが、その点は気にしながら書いておりまして、まあまあ、読むに堪えうるブログなんじゃないかと、自負してはおります。
私が、文章のすばらしさを心底感じたのは、実は小説でも論文でもなくて、広告文です。
ずいぶん前になりますが、万年筆が欲しいなあーと思って、ネットで、物色したことがあります。
アマゾンだったか、楽天だったか、ヤフーショッピングだったか忘れましたが、商品の万年筆を、凄く魅力的に説明しているページを見つけました。
商品説明が、あまりに素晴らしくて、その広告文を何度も読み込み、とっても欲しくなりまして、紹介されていた万年筆を買いました。
お値段は、すごく安かったのです。何百円とか言うレベル。
しかし、何万円もするモンブランやペリカンやビスコンティより魅力的に思えました。
届いた万年筆は、立派な箱に入っておりました。
しかし、万年筆そのものは、なんだかチープ。使うと、すぐに壊れてしまいました。メイドインチャイナでした。
なんじゃ、こりゃー。
万年筆にはガッカリしましたが、言葉の魔力に、とても興味が湧きました。
で、広告文を勉強しました。
クロードホプキンスとかデビットオグルビーの本を読み、糸井重里のコピーを書き写し、ミスターエックスこと仙人さんのコピーライティングを学びました。
「ヘルパーさんが駐車違反にならない方法」というノウハウ教材を作りまして、学んだ広告テクニックを詰め込んだチラシを書き、ネットで調べた介護事業所リストにFAXしまくったところ、けっこう売れたのです。
商品そのものはしょうもなくて、クレームが来て、返金するハメになり、ロクでもないことになったのですけど、文章には、人の心を動かす力がある! と確信しました。
広告文、セールスレターというのは、文章修行に良いです。
論文や小説は、自己満足で終わることもありましょうが、広告は効果がはっきり出ます。
売れるか、売れないか、どっちかです。売れない文章に価値はありません。
文才は広告で磨かれると思っています。
勉強したのはだいぶん前ですので、細かいノウハウは忘れてきましたけど、ずーっと脳ミソに染み込んでいるのは、タイトルは本文を読ませるためのもの、最初の一行は、次の行を読ませるためのもの、2行目は3行目を読ませるためのもの、3行目は…以下同じ、ということです。
最後まで読んでいるうちにその気になって、気づいた時には注文していた!というのが理想的。
途中で読者の興味が途切れたら、売れません。
論文でも小説でも、途中で嫌になったらダメですよねえ。
私は、理数系に弱い文系なんですけど、理系であっても、文を書く能力は重要だと思います。
というか、理系には文系の能力が必須ですけど、文系は理系の能力がなくてもいいわけで、学問的にはレベルが低かろうという気もします。
それでも、商売や社会生活やっていけます。
今の私は、何か売ってる訳じゃありませんが、作文能力はいろいろな場面で、すごく役立っています。
娘には、国語が一番大事や! と言っております。
将来、どういう道に進もうが、国語能力があれば、くいっぱぐれることはあるまい、と考えております。
しらんけど。
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