安倍さんが、統一教会と関係があったとかなかったとか、話題になっておりますね。
私も昔、統一教会、当時は世界基督教統一原理協会、通称、統一原理といっていたと思いますが、ちょろっと関わりがあったので、その時の思い出を書いてみます。
それは、私が大学生の頃、平成3年とか4年くらいでした。
ある日、ピンポーンと、私が住んでいた京都の、家賃28,000円のワンルームマンションに、気さくなお兄さんが訪問してきました。
いろいろ勉強するサークルのお誘いです、今ならランチが無料ですが、いかが? ということで、近所だったし行ってみました。
大学のそばの、テナントビルの小綺麗な一室でした。
お兄さんとかお姉さんがいて、あまり垢抜けてないけど、こざっぱりしていて、なんの話をしたか忘れましたが、他愛のない話だったと思います。
なんか、いろいろ持ち上げてくれて、気分良く過ごせました。
ランチのあと、なんか、先生みたいな人が喋っているビデオを見て、その日はそれで終わり。
またきてねーということで、2、3回、そんなのが続きました。
ビデオは、世界は危ない、数字でなんか法則がある、でも、なんか起こって救われる、みたいな内容だったように思います。
なんかようわからんなー、でもランチ奢ってくれるし、まあいいか。みたいなノリで行ってました。
で、今度、サークルの楽しい合宿があるから、いかが? とまたお誘いを受けました。
ちょうど、クラブ活動がお休みの時期で、暇だったし、無料なら、まあ、いいかと思って、参加しました。
京都の北山の、交通の不便なところにある、合宿所だったように思います。
そこには、私と同じような年代の男女が、20人か30人か、集まっておりました。
私は、たいして怪しんでもいなかったのですが、いぶかしながら参加している人が、けっこう多い感じでした。
僕は神主の息子なので、怪しい宗教だったらお断りです、なんて言っている人もいて、ん? 怪しい宗教? そうなの? と思いました。
で、合宿の内容は、集中講義みたいな感じで、講師がダーッと喋りながら板書して、それを書き写すというものでした。
講義中の質問はなし。ひたすら、聞いて、書き写せ、というものでした。
以前に見たビデオの内容の、もっと詳しい版というかんじで、世界は不思議な数字のサイクルで動いている、みたいなかんじで、年号とか、いろいろ例を出して、どうだ、不思議でしょう~? というノリでした。
そこに聖書の一節とか織り交ぜてくるのです。
また、共産主義と民主主義が対立していて、共産主義はダメだ、民主主義が良い、みたいな話もありました。
講義を聞きながら、それは変だなあ、こじつけすぎるし、年号が正しくないし、共産主義の反対語は資本主義だし、民主主義の反対語は独裁主義だし、いちいち言っていることがおかしい。聖書からの引用にしても、デタラメだ、と思っておりました。
当時、私は少林寺拳法部で、お釈迦様の教えを学んでいたし、大学の授業では原始仏教やシュバイツァー博士の勉強もしていたし、宗教にはそれなりの知識があったのです。
講義中の質問はダメ、とのことだったので、後で指摘しようと思って、ノートの右側には板書を書き写し、左側には、疑問事項をメモしてました。
講義は、なんだか聖書の暗号とか天使と悪魔みたいなノリで、人類、ピンチ!と盛り上がっていきまして、しかしそこには一筋の光が! それが我らが指導者、救世主の文鮮明師なのですー! となったのです。
なかなか感動的な話の運びで、周りの人達は、ウルウルと涙ぐんでいました。神主の息子も泣いてました。
あらら、こんなデタラメ話、よう信用できるなあーと、私は半ば呆れておったのですが。
そこで初めて、このセミナーというか勉強会は、統一原理という団体なのだと明かされました。
その名前は初めて聞きましたので、ふーん、といったもんですが、私の中ではインチキ団体であると確定しました。
美味しくない少ない夕食があって、明日は、バレーボールかなんか、リクリエーションがあると予定を聞き、とっとと寝たかったのですが、遅い時間まで、なんだかんだスタッフが話しかけてきまして、寝かせてくれません。
今日の講義の疑問点を聞こうとしたら、それはまた明日講師に聞いてくださいということで、雑談の内容は、薄っぺらく面白くもなく、睡眠の妨害にしか思えず、腹ペコで朝っぱらから運動させられて、またしょーむない嘘っぱちの講義の詰め込みかいな、と思ったら、もう、いたくなくなりました。
「帰りますわあ!」と言って、なんだかんだ止めようとするスタッフを振りほどき、靴を奪取して、合宿所を脱出しました。
普通は逃げられないと思うし、他に誰も逃げようとする人もいませんでしたが、「力づくで止めるんやったら、こっちも暴れたるでー!」という決意が伝わって、スタッフたちを諦めさせたのかもしれません。
真っ暗けの山奥で、バスも何もないところでしたが、闇夜を歩くのは少林寺拳法部の合宿の肝試しで慣れておりましたので、どうということもなく、歩いて帰りました。
それ以来は、統一教会に一切関わっておりません。
後に、あの一連の流れは、洗脳の手法だったと知りました。統一原理は、被害者の会もあるヤバい団体だとも知りました。
大学生は、けっこう新興宗教のターゲットにされるようで、エホバの王国、創価学会、神慈秀明会など、いろんなのが来ました。
来る者拒まずで何でも受け入れる主義ですが、統一原理で凝りましたので、こりゃヤバいと判定したときは、適当にブッチしたり、論破したりして逃げました。
地面に触れることも許されないという「光」のお守りを、「あほくさ」と思って、マンションの裏山に投げ捨てたのは、我ながらちょっと酷かったかな? と反省してますが。
価値観を共有できないにしても、他人の価値観を踏みにじるのは良くなかったですね。
ちゃんと、トンド焼きで燃やせばよかったです。
オウム真理教が来なかったのはラッキーでした。あそこは武闘派でしたから、捕まったら逃げられなかったかも。誰かを毒ガスでポアする側になっていたかもしれないと思うと、ゾッとします。いや、ポアされる方か??
そんなわけで、安倍さんの話とは関係ない話になってしまいましたが、宗教とは言い難いエセ宗教、カルト教団には注意です。
百田尚樹親分が語る洗脳の恐怖。
↓
百田先生の話を聞くと、私の体験は、やはり洗脳そのものでしたね。よく逃げたものだと、我ながら偉かったと思います。
現在、私の所属している経営者向け教育団体である倫理法人会は、宗教団体ではありませんが、教えの中身は、よっぽど本物の宗教っぽいです。
仏教にもキリスト教にもぶつかりません。私の価値観にももちろんぶつかりません。
ですので、もう10年も長く学び続けております。
コメント