棒推手のススメ

棒推手がトレンドです。

棒推手とは、私が思いついた練習方法です。

正当な伝統的練習法は習っておりませんが、私の考案した(というより、テキトーに遊んでいるうちに形になってきた)棒推手も、まあまあ面白く、太極拳の上達に役立つように思います。

やり方は簡単。短棍を両手で幅広く持った二人が向かい合って、棒の真ん中あたりを合わせます。普通の推手だと、ここが搭手ですね。

そこから、ゆっくり押し合いをします。推手と同様、力づくにならないよう、お互いの勁を聴きながらです。

棒は滑りやすいので、粘らせるためには、よりシビアな力加減のコントロールが必要です。

ガツンとぶつからないよう、化勁と発勁の交流です。虚実分明で、架式を崩さぬように、丁寧にポン、リー、ジー、アンを繰り返します。

まずはこれが基本です。

相手の勁の隙間があれば、ぐいーと入り込めます。相手の手首や肘の上に、棒を乗せれば、相手を双重にして動けさせなくできます。

そうはさせじと、体をうまく使って化勁して、相手の股関節の上あたりに棒をかぶせれば、逆転できます。

前に段ボールナイフで推手をしたときは、触れられたら切られて死ぬ、みたいな前提でしたが、今回は棒なので、手の延長みたいなもんです。体に接触するのは全然OK。

慣れてくると、首や膝裏に当てたり、棒同士を引っ掛けて押さえ込んだり、変幻自在になってきます。

これを拙力ではなく化勁の連続で行います。

面白い!

鞭杵の套路にある動作、使えるなあという気がしてきました。

まだそこまでは至っておりませんが、棒があってもなくても推手の感じは同じだとわかってきまして、棒術、棍術のイメージが変わってきた次第です。

私の場合、剣道の経験があるので、どうしても棒は叩くもの突くものという固定観念が抜けきらないのですが、そういう経験のない妻や、道場のオバサマ方は、わりとすんなり上手にできるようです。

ただ、趣旨を理解できず、チャンバラみたいに闇雲に押したり打ったりしてくるオバサマがおられまして、私の頭はポコンと叩かれました。いてっ!

「大丈夫、大丈夫」と微笑みを絶やさない私ですが、内心イラッときて「次、打ってきたらひっくり返したるで!」と思ってしまったのは秘密です。

この方、普通の推手でもそんなかんじでして、私に何度かひっくり返されているんです。というか、自分で勝手にひっくり返っているのですけど。拙力が抜けないんですね。

学習しないなあーと思うんですが、そういう人が混じっている方が面白いかもしれません。

全員、素直で同じ感じだと、上達度合いの差がわかりませんので、自分勝手な人が比較対象になった方が刺激になって良いです。

今後もしばらく、棒推手の研究をしていこうと思います。

コメント