太極拳でいちばん大切なのは緩めること?

日曜日の公園に大勢の太極拳愛好者が集まっています。

その中で私も近頃、地味に知られるようになってきて、教えて下さい、と請われることが増えてきました。だいたい妙齢のおばさまです。

先生みたいに思われているようで、嬉しいような申し訳ないような。

全くの初心者という方もおられますが、3段を受験して…みたいな人もおられます。

聞かれることは、主に推手です。

教えるというのはおこがましいですが、答える時は、その人のレベルによって、それぞれ違うアドバイスをしています。

ここでつまづいているなとか、思い違いしているなーというところに応じて、パラダイムシフトが起きるような説明をすることにしています。

「ええっ!そんなん初めて聞いた!」と言われることが多いです。

脳みそが一旦かき混ぜられて、それが静まって腑に落ちていくのが見えるようで、快感でもありますね。

あなたの教室のやり方と違うかも、こういう考え方もあるということで…とは言いますが、たぶん、教室では基礎的なことを習っていないのだろうな、という気がします。

15分も練習すれば、みなさま、劇的にお上手になられます。真面目で熱心な方が多いです。変なふうに凝り固まっていた考え方を、解きほぐしてあげただけ、という気がしてます。

「初心者にとっていちばん大切なことは、やっぱり緩めるということですか?」と聞かれました。その考え方が、凝り固まっておりますね。

「いえ、正しい形で動けるようになることです」と答えました。

意識的に緩めるのは難しいことですから、意識しないでいいと思っています。緩めるのは、柔軟体操で甩手をしっかりやれば良いですね。

それより正しい架式です。正しい形ができてなければ、正しい推手もできません。ポンリージーアンがどうのこうの言う前の話です。

正しい形でスムーズに動けるようになれば、自然と、余計な力は抜けて、緊張はなくなります。自動車の運転みたいなものです。

しかし、「正しい形」というのが、なかなか怪しいです。基本を教わらずに、套路の順番を追いかけているばかりだからだと思います。

私は安田先生に学びだして、基本から徹底的に直されました。ほぼ最初からやり直しみたいなかんじでした。

ですので私も、マンションの青空教室で教える時は、毎回、基本からです。ちょっと進んだらまた基本、と繰り返し繰り返しです。

基本がしっかり出来ていれば、自主練習でどんどん上手になりますが、基本ができていないのに自主練習を頑張ると、明後日の方向にいきます。(経験済み)

熱心ではあっても、男性は明後日の方向にいっている人、多いですねー。女性は修正を素直に受け入れやすいですが、男は頑固で難しいですなあ。

なんか勝負を挑んでくるようで、ちーとも学ぶ気がない男性、多いです。そんな人は、ほんの1、2分手を合わせているだけで、どっかいってしまいます。自慢の腕力が発揮できないので、面白くないんでしょう。化勁されて、ふいっと浮いた時など、あっ、ムカついている! と感じます。

こういう人は、だいたい力ずくで、太極拳の概念がわかっておられません。本人は太極拳のつもりなんでしょうけど。

まじめに学びたい素直な人は、浮かされたり、崩されたりすると、笑顔になります。嬉しそうなのです。

我の強い人は、ムカッとした顔をします。上級の技を学ぶチャンスなのに、嬉しくないというのは、エエかっこしたいだけの人ですね。

それと、愚痴になりますが、男でも女でも、人が教え教わっているときに、横からウンチクを垂れる人がおられますけど、よろしくないです。

先輩風を吹かしたいのか知りませんけど、横から割り込んでの、補足説明はいらないです。

その説明が正しかったとしても、こっちは順序立てて話しているのだから、狂わすな! と思います。聞かされる方も、邪魔が入って嫌な気分でしょう。一瞬は、わーすごい物知り!と思われるかもしれませんが、尊敬はされませんわ。

それに、補足説明が正しいことは少なくて、「あんたもようわかってへんやろ、思いつきと想像でよく語れるなあ」と、呆れることが多いです。

あまり調子に乗られると、物理的に脳ミソかき混ぜたろか!と思ってしまいます。

他の人達が教え教わりしているのが聞こえてくることはありますし、その内容が途方も無いデタラメだと思うこともありますが、私自身は、わざわざ首を突っ込んでウンチク垂れることはありません。

巻き込まれそうな雰囲気を感じたら、離れます。巻き込まれても、黙って気配を消しておきます。

それも護身術と言えるのではないでしょうか。

コメント