最近、よくご一緒するようになったUさんとの練習が面白いのです。
というのも、太極拳の技というか、攻防が面白いように決まるのです。
飛んでいくし、関節もスパスパ決まるし。傍から見ていたら「ヤラセ?」と思われるかも。
でも、ヤラセではないのです。Uさんは、真面目に仕掛けてきておられます。でも、私に返されて、お見事に掛けられます。
このメカニズムは、明らかです。
Uさんが太極拳の勁をわかっているということなのです。わかっているからこそ、Uさんよりちょっとばかり修行の進んでいる私の勁を食らうのです。
少林寺拳法の経験も御有りなので、関節技がどういうものかも知っておられます。
わかっている、知っていると、抵抗しようという気がなくなります。下手に抵抗すると、変な倒れ方をしたり、骨がポッキリいったりすると知っているからです。
痛い目に遭いたくないから素直に受けておこうと、頭では考えなくとも、体が反応してしまうのです。
私自身もそうです。受け身が取れないような、変な投げられ方はされたくないので、お手柔らかに食らっておこうという意識が働きます。だから、私も技がかかりやすいです。
そういう人が相手だと、かける方も、安心していられます。「この反応なら、もうちょいいけるなあ」と、もう一歩踏み込めるんです。
相手が経験不足で、固まったり踏ん張ったり、変な抵抗をしてこられたら、掛ける方にも「これ以上いったら危ないなあ」という意識が働きます。
そうすると、中途半端なところで止めてしまうことになり、結果、技が完成せず、失敗みたいな感じになります。
実は、遠慮なくいけば、こちらの方がダメージは大きいわけですが。
よく、師匠が弟子を投げ飛ばすデモンストレーションを見て、「そんなのはヤラセだ! 俺にかけてみろ!」という挑戦者があらわれたりしますね。
まともな武術家ならお断りします。理由は上記のとおりです。
しかし、そうすると「ほれみろ、ほんまはでけへんのや! インチキや!」と、言いふらされることになります。
グギギギ、こいつイテコマしたろか、と思っても我慢せねばならぬのが武人の辛いところです。
ギリギリ負傷させないところで、痛い目に遭わせることができるほどの達人なら、やっちまうかもしれませんけど。
私はそんな微妙な手加減はできません。受け身も取れないような相手を飛ばしたら大変だ。
これまでの私は、飛ばされる役割ばかりで、遠慮なく掛けられる相手がなかなかいませんでした。
私よりずっとレベルが高くて全然効かないというN先生みたいな人か、もしくは初心者よりちょっと進んではいるけど遠慮を解除できるほどではない、という人がほとんどなのです。
ですので、Uさんみたいな存在は貴重だなあ。
このレベルの人が、もっと普通にワンサカ増えれば、太極拳業界も活性化すると思います。
(他の武道なら、普通にワンサカいると思うのです)
コメント
こんばんは、Uです。
いつもD公園では推手のお相手をして頂き、ありがとうございます。
毎回、他では得難い驚きの体験をさせて頂いております。
今回の記事を読ませて頂くと、私のことを買いかぶり過ぎておられるように感じましたので、訂正させてください。
以前に、このblogのコメント欄で白状していましたように、私は「勁」がよく分かっておりません、恥ずかしながら。
なので、勁を知りたくて、パパだよ さんの発する勁を、数多く、美味しく食らわせて頂きたいと思っております。それが勁を理解する近道ではないかと。
こちらから仕掛けて行って、返されたら抵抗をあきらめて、食らわせて頂く。
たまに、試みに返って来た技のさばき返しもしますが、それに対しても、またすぐにさばき返されますので、その先は無理をせず、食らわせて頂く。
だから、「おお!」などと歓声を上げながら、笑顔で飛ばされることが出来ております。
あそこで粘ってしまえば、大変な目に会うでしょうから。。。
1/14と21は、あいにく打ち合わせなどの予定がはいってしまい、D公園に伺うことが出来ません。28には行けると思いますので、その時は、また景気よく飛ばしてください!
Uさん、ありがとうございます!
ご自分では、勁がわかっていないと思われているようですが、いえいえ、情報として左脳で整理できていないだけで、体はわかっておられますよ!
わかっているつもりで実は全然わかっていないというウンチク垂れの人とは、全然違います。
私も大変楽しませていただいております。またよろしくお願いいたします!