私が小学生の頃、おばあちゃんはいつも揺り椅子に座っていました。
おばあちゃんといっても、祖母ではなくて、戦死した祖父の姉でした。
戦死した祖父の妻であるところの、本当の祖母も一緒に住んでいて、6人家族でした。
本当の祖母を、ちっこいばあちゃん、姉の方を、おっきいばあちゃんと呼んでいました。
おっきいばあちゃんは片足がなくて、子供の頃の私は、人によっては足がない、というふうに思っておりました。
ちなみに、隣のお家が天理教でして、毎日朝夕、チンチンどんどんと大音響でお祭りをしておられまして、子供の頃の私は、世の中というものは、朝と夕方にチンチンドンドンと鳴るものだと思っておりました。
おっきいばんちゃんは、私が中学生くらいのときに癌で亡くなりました。
愛用の揺り椅子、足のところが弓状になっていて、体重の掛け方によって前後に揺れる、ロッキングチェアとかリクライニングチェアとも呼ばれる木製の椅子は、ながらく主のないまま、我が家で揺れておりました。
だいぶ年月が経って、再び日の目を見たのが、私の知人友人たちの遊び場所に持ち込んでからです。
椅子に揺られて、ビールなんか飲んでいると、気持ち良いです。
色んな体重の人が腰掛けるもんですから、ある時、座面がバキッと割れてしまいました。
まあ、天寿を全うしたなあーという感じですね。
しばらく、放置されていましたが、いろいろ物が増えて整理するときに、処分することにしました。
しかし、いろいろ思い出のある揺り椅子ですから、なにか記念にしようと思いました。
それで生まれ変わったのがこちら!
木刀になりました!
床に接する弓上の足の部分ですね。あのカーブの具合が、刀に見えたのです。
ナイフとサンドペーパーで削りました。
ひ孫が振り回したりして、おっきいばあちゃんも喜んでくれることでしょう!
(おっきいばあちゃんに子供はなかったので、ひ孫とはいえないのですけど)
下の木剣は、おばあちゃんも眺めていたかもしれない、庭の樫の木の枝を削って作ったものです。
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