ヨットの楽しみ方

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ヨットは趣味の王様だと教わったのですが、日本でそういう認識はあまりないようで、趣味の王様といえば、鉄道模型やアマチュア無線らしいです。でも、ヨットはそんなに敷居の高いものではなく、だれでも気軽に始められます。

 

ヨットはオランダが発祥の地でイギリスで盛んになりました。

日本でヨットといえば、私の認識では、3種類あります。

一つは、太平洋一人ぼっちの堀江謙一さんのような、冒険野郎です。最近では、アースマラソンの間寛平ちゃんですかねー。

ふたつめは、若大将加山雄三のイメージで、クルーザーにウクレレ、優雅にお姉ちゃんを侍らせるとか、船上バーベキューにワイン、ってかんじですね。私の憧れているのはこれです。

みっつめは、戸塚ヨットスクール系モーレツしごき教室です。(最近また幼児教室として復活しているそうな?)

ヨットスクールでレースに出場

私は、社会人になってから、趣味としてヨットの操船を学びました。

セレブな金持ちの道楽のようですが、実はそんなに費用がかかるものではありません。

乗っていたヨットは、一人乗りのトッパーを1日3,000円ほどでレンタルだし、レースエントリーも数千円、バーベキューも3,000円くらいだったし、総額1万円もあれば楽しめました。泊まりでも、コテージ相部屋やテントレンタルで、安かったです。(琵琶湖のBSCというところでした。)

最初2日ほどの講習費用と、ウェットスーツやドライスーツなどの購入費用はまあまあかかりますけど、夏だけ遊ぶならスーツはいらないですし。

ちなみに推進機関のないヨットは、船舶免許は不要です。自転車みたいなもんです。

 

最初のうちは、夏のシーズンに、2回か3回くらい琵琶湖でちょろちょろ遊んでおりまして、夜はバーベキューでコテージにお泊りして、桟橋の先っちょで女の子とビールを飲んだりして、わりと加山系だったんですけど、ある年、真冬のインストラクター養成コースというのに入りまして、これが戸塚系でありました。

コースはオフシーズンの12月から3月頃まで開催されまして、何回行ったか忘れましたけど、レッスン日の日曜日の朝は、苦痛でありました。

大人の学校ですんで、ぶん殴られるとか罵声を浴びせられるとか、そんなひどいことはないんですが、真冬っていうのはなかなか辛いです。

トッパーやディンギーという小さい一人乗り、二人乗りのヨットは、簡単にひっくり返ります。

雪混じりのぶん殴られるような強風を浴びて、ディンギーがひっくり返ったら、乗っている人は、水の中に落っこちます。ドライスーツは着ておりますが、手足はものすごく冷たく、頭はキーンとなります。

風が強いもんで、なかなか起こせません。息も絶え絶え、やっと立て直したら、セールから、バラバラと氷が落ちてくるのです。

死に物狂いではありますが、レッスン終了後は、シビレルような爽快さがありました。たぶん、脳みそがシビレてたんだと思います。

一息ついて周りを見渡すと、湖を取り囲む山々の雪景色は美しく、まるでスイスのようでありました。(行ったことないけど。)

ヨットのシーマンシップ

ヨットでは、シーマンシップというのを学びます。これはスポーツマンシップみたいに、正々堂々と戦いますというようなもんではなくって、自力で生きて帰るための智恵や技術をもつ、というようなことです。

なかなかシビアな教えでして、ジーパンをはいたまま泳げるくらいにはなっておきましょうとか(いまだに泳げませんけど)、ライフジャケットをつける目的は、死体を回収しやすくするため、なんて恐ろしいことを聞かされました。

落水者救助と、死体回収の手順は、ほぼ同じです。

海の上では(湖でしたが)チャラチャラしとったら死ぬ、というマインドを叩き込まれました。実際、おだやかに思える琵琶湖でも、クルーザー遊びで死人は出ています。

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インストラクター講座では、クルーザーの操船も学びまして、これはなかなかゴキゲンでありました。(クルーザーは船底におもりが付いていてひっくり返りませんので、ちょっと安心。)

修練のかいあって、インストラクター資格を得まして、クラブレースに出場できるようになりました。

それからは、シーズン中、毎月レースを楽しんでました。成績はまるでダメでしたけど。

ヨットレースのルールと楽しさ

私の参加していたレースは、世界一周とかアメリカズカップみたいな過酷なもんじゃなくって、1レース30分から2時間くらいの、軽いクラブレースです。

水面に浮かべたブイの周りをぐるっと、2周ほどまわって、ゴールする順位を競うというものです。

レースの所要時間は、風の具合で大幅に変動します。

ヨットのレースって、テレビで見てても(あんまりやってませんが)、さっぱり面白くないと思います。そんなにスピード感もないし、駆け引きもよくわからんし。

沖の方でやっているので、海水浴にいったらヨットのレースを見かけた、ということもないでしょうし。

しかし、やってみると、かなり面白いです。

陸上競技のような体力勝負でもなく、モータースポーツのようなエンジンパワーがモノをいうわけでもなく、私の印象では、頭脳戦です。

手や足で、帆や舵の操作をしますが、筋力で一生懸命漕ぐのではなく、風を利用する技術が勝負を決めるのですね。セールの角度とか、船の傾き具合で、スピードが変わります。

他の船との駆け引き、スタートの位置取りとか、大局的に展開を読んで、変化に対応していく頭の良さが勝敗を決します。

いくら筋肉ムキムキでも、うおりゃーと、気合を入れても、ぜんぜん船は速くなるわけはなくて、冷静沈着な情報収集能力と判断力、機を逃さない行動力が問われるというところは、なんだかビジネスに通じるところがあるんじゃないでしょうか。

体力的には、同じ体勢でロープを引っ張り続けるというような忍耐力が必要です。

 

ヨットレースの流れをざっくり書きます。

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(図が下手すぎてスミマセン。)

スタート・ゴールになるブイの横に本部艇が控えておりまして、本部艇とスタートブイを結ぶ、見えない直線が、スタート・ゴールラインです。(ゴールは移動することもあり。)

スタート時間を、たとえば午前10時とすると、10分前、5分前、1分前、10時ジャストに、ぷお~んと、号令が鳴ります。(6分前、3分前ということもあり。)

スタート時間ジャストに、フライングしないように、かつ、最大スピードでラインから飛び出すように、ライン上を行ったり来たりしてスピードを乗せてしておくのが勝負のキモです。

右手にはめたヨットタイマーを見て、秒数をカウントしながらヨットを操るのは、なかなかドキドキの興奮です。

風向きと、次のブイの位置を考慮して、ベストポジションを取るのは頭が悪いとできません。

(憧れのヨットマスター。海に落としたら大変なんで、買ってもたぶんレースには使わないですけど。私は3000円くらいのタイマー付きデジタル時計を使っておりました。)

 

スタートしたあとは、次のブイをめざしていくんですが、最短距離が最善ではなくって、これも風向きと他の船との位置関係によってベストラインは変わります。風に真正面には進めませんので、ジグザグに進むことになります。

ブイを回る時は優先順位がありまして、違反したりぶつけたりすると、その場でぐるぐる回るというようなペナルティがあります。

そんなこんなしながら、ゴールラインを横切った順位により成績が決まります。

風がいいかんじだと、1日に3レースほどしてました。昼飯も船の上です。(トイレは水の中。)

ヨットが風上に進める原理

先日、医者が主役のある漫画を読んでいたら、帆船にまつわる話があったんですけど、帆が風を受けて進む図解が、なんだか違っておりました。

帆(セイル)は、風に押されて進むのではないです。(そういう状況になる時もありますが。)

どっちかというと、風に引っ張られるようなイメージです。

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風にあおられてパタパタしているセールを引っ張ると、パンっと張りまして、まるいカーブを描きます。風は、セールの裏も表も同じように通り抜けますが、外側と内側では、風のスピードに差が出まして、より速く流れる外側の空気が、薄くなります。

すると、濃い空気から薄い空気の方に、推進力が発生します。これを揚力といいまして、飛行機の翼が浮かぶのと同じ原理ですね。

これを体験するためには、コンビニでも行った時に、パタパタはためいている「おでん始めました。」とか書いてあるノボリの端っこを持って、引っ張ってみてください。ゆっくり引っ張っていくと、パンっと張って、もっとも力がかかる角度があると思います。

その角度の時に、風上45度で、グイグイとヨットは進んでいけるのです。

ヨットは生涯の趣味にできます

シーマンシップなど、厳しい話も書きましたが、私自身、危険な目にあったことはありません。(苦しい目にはあった。)

インストラクターとしての活動は、知り合いの女の子をふたりほどにレクチャーしただけですけど、楽しく喜んでもらえました。

知識と技術を身に着けて、守るべきところを守っておれば、ヨットは安全なスポーツです。

ヨット遊びの費用は、スキーやゴルフにいく程度です。

たまに遊ぶだけならレンタルもありますし、買うにしても中古クルーザーは軽自動車くらいの金額で買えます。マリーナの停泊料も、駐車場代くらいの感覚でしょう。(場所によって違いますが。)

モーターボートは、ガソリン代が物凄くかかりますが、ヨットのクルーザーだと、エンジンは離岸着岸の際に補助的に使う程度なので、そんなにガソリンも食わないですね。

それでいて、知らない人からは、セレブのお金持ちだと思ってもらえます。たまにお友達をクルーザー遊びに誘えば、一目置かれること、間違いなしでありましょう。

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