推手をするのにこのごろは、定歩だとか活歩を意識しなくなってきました。相手が止まっていればこちらも止まっているし、動けば動くし…というかんじ。
公園で、久しぶりのオバサマと推手をしました。まあまあ上手な人だと思いましたが、以前に手合わせした時より進歩されてません。定歩しか練習されていなくて、上達が頭打ちになっている感じでした。
前後に動きながらやってみられたら? と提案して、一緒にダンスみたいにやっていると、いい感じになってきました。
定歩推手しかやっていないと、前後の足の虚実分明がわかりにくいと思うのです。どっちつかずの中途半端で、上体を傾けたりねじったりしている人が多いです。
しかし、歩きながらやれば、いやおうなしに虚実分明になります。活歩をすることで、定歩も上達するように思います。
定歩がちゃんとできていないのに、活歩なんて…という定歩主義の人はちょいちょいおられますが、定歩推手が完璧になる日は永遠に来ないと思いますので、死ぬまで活歩推手はできないと思います。
完璧に立てないのに、歩くなんておこがましいのでちゅーなんていう赤ちゃんは、たぶんいません。
どんどん歩いたらええやん、と思います。活歩、やってみたけど難しいなーと思ったときに、また定歩もやれば、おや?こんなかんじだったのかと、気づきもあるものです。
そもそも武術なんですから、止まって手をぐるぐる回しているだけなんて、ナンセンスな話です。
気とか勁とか、難しいことを議論ばっかりしているより、歩いて打ち合った方が理解が早いです。
以前一度手合わせいただいた、歩きまわる系の人(男性)と、再びお手合わせ頂く機会がありました。
こちらの方は、どんどん歩いてくれて楽しいです。
が、ちょっと遊びがありすぎ、無駄な動きが多いなあと思って、試しに蹴りとかも入れてみました。
順応力の高い人で、すぐに歩法をコンパクトに変えてこられました。
これは面白みのある人だ!と思いまして、肘、肩など密着距離でも試してみると、おなじように返してこられるし、拳で打ったり、肘や手首を取りに行っても、おなじように返してこられて、どんどん動きがシャープになっていきました。私の方も、相当、変わっていったと思います。
30分以上、休みなく動き続けてみましたが、なかなかタフな方で、息切れもしません。私もしませんけど、呼吸の仕方を心得られているのだと思います。
飛ばしたり、こかしたりもなく、もう、やれること全部試したなーと思ったところで、ゆるやかに四正推手に戻り、お互い収勢。
いやあ、やりがいがありました。
推手の最中は、話はしませんでしたが、あとで話したら、普段しないことをたくさんできて、とても面白かった、と言ってくれました。私も、とても楽しいひと時でした。
定歩推手にこだわっていたら、こういう体験はできなかったと思います。
まだ早いとか、ちょっと無理とかいって、試しもしなければ、永遠にレベルが上がりません。どんどん挑戦すべきだと思ったのでありました。
ただ、自己流に陥らないように、正しい指導を受ける必要はあると思います。
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