站椿功の効果

太極拳

私が通っている太極拳の教室は、えーと、6つほどあるんですが、站椿功(タントウコウ)について教えてくれるのは半分ほどだけです。

教えてくれるのは、いずれもなぜか、けっこう経験者向きの教室でありまして、初心者の年寄りが習いに来る教室では、まず教えておりません。本来、站椿功って、初心者が学ぶべきもののはずなのに。

目次

站椿功は基本です

站椿功って、立禅ともいいますので、なんだか気功のひとつみたいなイメージを持っている人もおられますが、太極拳の基本中の基本です。

武術でも舞踊でも、まずは、立ち方から学びませんと。

私も普段、あんまり站椿功って練習してませんが、ちょっと前に背中の筋肉を傷めて動くと痛かったので、この機会にと、站椿功からやっておりました。

そんなに腰は落とさない馬歩になり、虚領頂勁、含胸抜背、沈肩墜肘、松腰松胯、尾閭中正、立身中正といった姿勢を意識して、呼吸はそんなに意識せず、ボーッと立っておくと良いですね。

微動だにせず、というのではなくて、自然に体が揺れてしまう分には構わないそうです。というか、動いていないといけないらしいです。

退屈な練習のように思えますが、隅々まで意識していたら、けっこう時間が経っていきます。じっとしているのに、指先まで暖かくなります。軽いようで、重いような、感覚ができてきます。

馬歩というのは、無理のない合理的で武術的で養生的な立ち方なんだなあと、改めて感じ入った次第です。

初心者は站椿功から

先日、陳式太極拳の教室で、一番最初の金剛トウ碓のところがうまくできない人のために、手の形は站椿功の時の形のまま、動いてみよ、というアドバイスが先生よりありました。

套路の動きをなぞる際、纏絲勁を意識するあまり、ぐにゃぐにゃになってしまう人も、站椿功の形で、といわれれば、手は固定されます。例の、丸太を抱えているような、丸い形です。こうすると、肩も肘も腰の動きも制限されるので、自動的に上下相随になります。

すると、崩れないで、うまく動けるのですね。

なるほど、さすが先生は上手に指導されます。

片足で站椿功

ちなみに私は、片足立ちで3分くらいは立っておれるように練習してみなさいと、指導を受けております。

最初は、不安定でグラグラしておりましたが、站椿功で求められる要諦を意識して練習しておりましたら、わりと楽に立っておれるようになってきました。

現在は、あげている方の足が疲れてプルプルしてくるまで、立っていられます。(目線も大事)

最初は、分脚の後のポーズで練習してましたが、金鶏独立とか金剛トウ碓のポーズとか、いろいろな練習ができると思います。

套路の前に站椿功を

別の日、太極拳愛好者が集まる公園で練習していたら、あまり上手でないおじさんが、初心者のおばさんに簡化二四式太極拳を教えておられました。

套路の順番を教えられているのですけど、そもそもの立ち方ができてないのです。その状態で、手はこっち、足はそっち、なんてやっているので、まるでバラバラです。

ああー、やはり初心者は站椿功からはじめないといけないなーと、傍で見ていて思ったのでありました。

実は、このお二人とも、私も通っている教室の生徒さんですが、そちらの教室では站椿功を全然教えていないのです。

私は指導員でもないし、古株でもないし、年齢的には一番若いし、請われてもいないのに口出しするのはデメリットしかない、と経験上理解しておりますので、あらあら…と思いつつ、見ているだけであります。

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