私が子供の頃の昭和の日本の都会では、自動の餅つき機が大ヒットでした。
毎年楽しく餅をこねておりましたが、家で餅つきをした経験がありません。かつて使われていたであろう石臼は、庭に置かれてメダカが泳いでおりました。
目次
餅つきは餅つき機より臼と杵で
餅つき機もけっして悪いわけではありません。蒸したツブツブのもち米が、機械の中でモゴモゴとノッペラした一つの柔らかい物体に変貌していくさまは、見ていてなかなか楽しいものでした。
つきあがったお餅を、手のひらでこねこね丸くして、並べていくのも良い家族団らんでしたね。
しかし、杵でペッタンペッタンとつくという、メインでハイライトなイベントを味わえなかったというのは、寂しいものです。
つき手と返し手が息を合わせて、餅を突き上げていけば、家族の絆も深まるというものです。
自宅で餅つき大会をするための道具
核家族化した現代社会では、大量の餅つきをしてしまうと食べきれないおそれもありますが、昨今は、核家族向けの餅つき臼や杵も通販で買えます。
小さなものですと、5合用のセットが1万円台からあります。
通常の4升とか5升サイズですと、10万円は下りませんが、3人家族、マンションのベランダで、というくらいなら、このくらい小さなものがいいですね。
臼と杵の他には、もち米をむすためのせいろや蒸し器が必要ですが、5合くらいなら家庭用炊飯器で代用できます。
大人数ならレンタルがおすすめ
なお、親戚一同10人集まって、などのイベントをするなら、ビッグサイズで盛大にやりたいですね。
購入せずともレンタルがあります。杵と臼、臼の台、蒸し器、コンロなど一式借りれます。私は、ダスキンレントオールで借りました。コンロの燃料はガスなので、プロパンガスのボンベはガス屋さんでレンタルすることになります。
この頃は、ボンベの貸出をしてくれないガス屋さんが多いので、レンタル屋さんから紹介してもらうのが良いです。
ガスを使わず、薪を使うことも可能です。
餅つきの手順
●前日にもち米をよく研いで、水に12時間浸け置きます。
●臼に水を張っておき、杵の先10cmくらいも一晩水につけておきます。杵が割れないようにするためです。
●一晩浸け置いたもち米の水をザルでよく切ります。
●臼を温めるための大量の湯を用意します。
●もち米を蒸します。せいろと釜がなくとも、少量なら家庭用の炊飯器でOKです。蒸しあがった餅米を、ボウルに移して、すりこぎ棒でつついても餅になりますが、それでは気分が出ませんので臼と杵が良いですね。
●餅米が蒸し上がる前に、臼と杵をお湯で十分に温めておきます。もち米が蒸せたら、水分を拭き取った臼に、もち米を入れます。
●まずは、杵で餅米をよく押しつぶします。いきなり叩くと飛び散ってしまいます。
●だいたい米が潰れたら、いよいよペッタンペッタンと叩いていきます。杵に米がつかないように、時々お湯で湿らせます。返し手は、ぬるま湯で手をぬらして、餅を真ん中に折りたたむようにして寄せていきます。時々餅全体をひっくり返すと、全体がまんべんなくつけます。
●粒がなくなったらできあがり! 片栗粉を敷いた大きなお皿にお餅を移します。
●手のひらサイズにちぎって、コネコネと丸めます。左手の手のひらを反らせて、右手は丸くして、餅を包んで左掌の上で円を描くようにするとうまくできます。手のひらをやけどしないように、片栗粉をたくさんつけましょう。
餅つきのレシピ
私の好きなのはきなこ餅です。できあがった直後のお餅なら、そのままきなこにまぶせばOKです。
時間がたって固くなったお餅は、焼いてから湯に浸してきな粉にまぶすか、煮て柔らかくしてきな粉をまぶします。
醤油に砂糖を溶かしたものに、餅を浸す醤油餅も旨いです。
焼いて焦がした餅を、お茶碗に入れてお茶をかける餅茶漬けもいけます。塩をちょっと入れると旨いです。
焼いた餅にあんこをつけるのも乙です。お雑煮に入れるのは、定番ですね。
餅つきの由来
ところで、餅つきの由来や意味をご存じでしょうか?
稲作文化の日本では古来から米は神聖なものであり、米から作られる酒や餅は生命のパワーが宿っていると考えられております。
元日には年神様がやってきて新年お魂を授けてくれます。その魂の象徴が、鏡餅なのです。門松やしめ飾りというのも、神様を迎えるためのものです。
ちなみにお年玉は、「年魂」というのがルーツです。
ハレの日に餅つきをするというのは、社会行事でもあります。ちなみに、一夜飾りは葬式みたいで縁起が悪いとされておりますので、鏡餅は、30日までに飾りましょう。
このあたりのウンチクを語りながら、餅つきを楽しめば、ふだんだめなパパも頼もしく感じられるというものです。
なお、餅つきは結構重労働です。
普段運動不足のパパが、準備運動もなしにいきなりハッスルすると、きっと腰をいわします。頼もしく思われるどころか、蔑まれます。
せめてひと月前から、素振りするなり、スクワットをするなりして、足腰を鍛えておきましょう。
コメント