推手道場での最年少男子Rさんとの練習は、まいど散手っぽくなります。
Rさん、だいぶん良くなってきましたが、まだ力任せの部分が多くて、いろいろ試せます。
若いから、ひっくり返しても飛ばしても大丈夫。色々試しているうちに気づくことも多く、良い練習相手です。
Rさんとの練習で考えるようになったのが「間合い」です。
Rさんは、ちょいちょい私の手首を握って、突っ張るようにして、腰が引けることが多いのです。
握ったら餌食ですよ、と毎度いうのですが、ついやってしまうようです。離れておきたいという恐怖心からの行動ではないかと思います。
しかし、その距離は、とても金的の当てやすい距離なのです。パンチもズバッと入ります。
これは空手とか少林寺拳法が、実力発揮しやすい距離ではないかと思いました。
こんな間合いだと、極真空手にボコボコにされてしまうと思います。柔道にも投げられるでしょう。
「太極拳の間合いはもっと近いですよ!」と、私は密着してます。密着して双重状態に追い込むと手も足も出なくなりますが、そこからどうこうするのが太極拳の真骨頂ですね。
密着!といえば、タックルみたいに潜り込もうとされますが、勢いよく斜め下につっこむと、上下の垂直が崩れ、中定から外れますので、これまた餌食です。
最初の搭手の段階から密着して、お互い窮屈で動きにくいところから動いてこそ、太極拳の練習になりますね。これでようやく套路の動作を当てはめることができます。離れていては、套路のようにできません。太極拳の戦術が使えないということになります。
自由な推手をやっていると、そういうことを体感で知ることができますね。
これは競技推手では気づけないと思います。当然、表演競技でも気づけません。形通りの四正推手は、勁のやりとりは体感できても、間合いの重要さには気づけないでしょう。
いろいろせなアカン!
まだまだ気づくべきこと、知るべきこと、試すべきこと、身に着けるべきことは、膨大にあるのだと思えます。達人への道のりは、果てしなく長い!
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