子供には拳より棍か?

長拳から太極拳に転向するという意思表示を示した我が娘ですが、実は、ちょっと前から太極拳は教えております。

套路の第一段のところを教えたところ、3回くらいで順番はスルスルと覚えてしまいました。1年経っても覚えられないオバサマ方と、えらい違いです。

「ボヨヨンボヨヨン」とか言いながら、抖勁のマネまでします。それはいらん。

しかし、面白がりはしても、あんまり熱心にやろうという感じでもなく、棒やボールで遊ぶほうを好みます。

長拳でパッパッパと早い動きをしてきたので、ゆっくりの太極拳は、辛気臭いというのもありましょう。まあ、子供の正常な反応かも。

勁を感じないうちは、太極拳の套路って大して面白いものでもないです。私が、たいして勁も感じられていなかったのに、20年以上続けてこれた理由は、そのうち上手になるだろうという期待でした。

マイナーな世界を味わっているという、自己満足、自己陶酔だったのかもしれません。

それで、一日一回、套路を通して、ハイ、今日のノルマクリア、という感じでした。基本功など、たまに気が向いた時にかしませんでした。

今は、勁を感じてきています。套路は、何度も繰り返すと、精度が上がり、力が満ちてくる実感がビンビンしますので、一日のノルマとかいう感じではありません。時間がある限りやります。基本功も、やりだしたら、なんぼでもやってます。

やればやるほど面白いです。

いろんな教室のお年寄りの方々が、おそらく勁のケの字も感じてないのに、長年続いているのは、体を動かして健康を維持できるという喜びと、コミュニケーションの楽しみのためでしょう。それはそれでいいと思います。

しかし、子供はそんなこと期待しておりません。面白いかどうかです。

套路は大して面白くもないでしょうし、基本功なんて、さらに意味がわかりません。強制したりしたら、嫌いになってしまいますね。

さて、ところが、棍は面白がるのです。

ためしに、安田先生に習った陳式棍の一部を真似させたら、サラサラっと覚えて何度でもやりたがりました。けっこうアクロバチカルな難しい部分だったのですけど。体操競技的な難しいことにチャレンジするのに喜びを感じるようです。

チャンバラしたり、棒でサッカーボールを叩いてホッケーとかしているので、あんがい棒の扱いに慣れています。ナントカの呼吸、ナントカの型!とかいって、鬼滅の刃のモノマネもよくやっているし。

拳はデタラメでも動けますが、棍を振るのには、あまりにデタラメってこともできないので、正しい体術を養いやすいように思います。棍でも、本当はゆっくり動いたほうがいいと思いますが、速く動いても、まあまあ練習になります。

もしかしたら、拳より棍から始めたほうが、長続きして上達するかもしれないぞ、と思いました。

そういえば、妻には拳じゃなくて、刀を教えていました。拳はあんまり興味ないけど、剣はやってみたいという妻の希望があり、私が剣をまだ習っていないので、刀にしたのです。最近、棍も始めました。

私も、まだ棍の深いところは習っていなくて、套路の順番を一通り覚えたという程度のレベルですが、私が習うのに合わせて、同時進行で教えていけば、私の学びも深まりますね。

というわけで、娘への太極拳指導は、棍からという方針で行くことにします。

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