軽重浮沈というのは、心が軽くなったり重くなったり、気分が浮き沈みしたり、ということではなくて、太極拳の話です。
精神的には安定しており、浮かれたり落ち込んだり調子に乗ったり引きこもったりすることは、もう、あんまりないです。これは年齢的なこともあるかもしれません。大人ですから。
それに、物事には陰陽があって常にバランスを取り合っており、悪いことは良いことになるし、良いことは悪いことになる、と知っているからでもあります。何事も「これが良い」と思って、受け入れる習慣ができております。
前回に書きました倫理の教えが、左脳ではなくて、小脳とか延髄に浸み込んでいるのです。
(とはいっても、テロ集団がいきなり空から降ってきて、虐殺の限りを尽くす現場に遭遇したら、平常心でいられる自信はありませんが…)
さて、太極拳の話です。
軽い、重い、浮く、沈むが、自由自在になってきました。
沈むイメージの時は、足が地面にめり込んで、しなやかな杭みたいになって、地球の中心に届いているような感じがします。
少々踏ん張って押されても、片足立ちで平気で立っていられます。以前は、指一本で押されただけでグラグラしていたものですが。
軽いイメージの時は、波や渦に乗っかっている、弾力のあるクラゲになっているような気がします。
二起脚は、十起脚くらい軽々と連発できるようになりました。以前は、2回連続だけでも着地でふらついて上手くできなかったのですけど、今は、着地してるんだかしてないんだかという気分です。(実際は毎度着地しています)
大刀を振りながらの二起脚は、まだ手足の連動がうまくできてないですが、これもそのうちできるようになるでしょう。
套路を通している中でも、沈んだり、軽くなったり、胴体が伸び縮みしたり、勝手に違うポーズを作っていたり、予想外のところで発勁していたり、人間以外の別の生物になったような感じも、たまにします。
「おれは人間をやめるぞ!ジョジョーーッ!! おれは人間を超越するッ!」みたいなかんじですかねえ。(byディオ「ジョジョの奇妙な冒険」より)
しかし考えてみると、これが本来備わっていた人間の能力じゃないかなあという気もします。
現代社会で人工的に作られた便利で楽ちんな生活環境に浸かっているうちに、人間がナマクラになって、人体機能が劣化していたのではなかろうか。
太極拳を学び、身体に取り込むことで、人間本来の機能が戻ってきたというか、発動させられたかんじがします。
50年間も太極アプリを起動させず、眠らせたままだったのだなあ。もったいないこってす。
太極拳歴だけで言えば私は30年を超えておりますが、安田先生と再会する前と、学び始めてからは、まったく別モノになりました。
本物かパッチもんかという違いじゃないです。最初に習ったの、陳正雷老師の老架式ですもんね。
太極拳は、形を覚えて繰り返しているだけでは、なんにも発動しないということです。
学ぶ順番とか、優先順位とか、練習方法とか、意識するところとか、理論とか、そういうのも一切合切含めて太極拳だなあと気づきました。
安田先生は、私の上達具合に合わせて、ちょびちょび指導内容を変えてくれています。套路の形さえ変わってきました。
今習っていることを、学び始めの段階で言われていたら、まったく理解不能で再現不可であったでしょう。
先生の指導を受けることなしに、前からやってた練習を熱心に続けていただけでは、軽重浮沈なんて死ぬまで気づけなかったかも。
今は、達人コースを進んでいる実感が凄くあります。
まったくありがたいことです。感謝です。
ご縁は大事ですね! 素直さも。
コメント
こんばんは、Uです。
このところ、すごい勢いで投稿されておられますね。
だいじょうぶ、全部精読させて頂いていますよ!
倫理法人会と太極拳法の思想は近いものがあったのですね!
モーニングセミナーに参加させて頂いても、妙に馴染んでいたのは、そういうことだったのか、納得。
私、楊式棍を少し習っていますが、いまのところ「下劈」という動作は出てきておりません。「少林寺映画でおなじみ」となっていましたので、急激に朴歩になりながら、パーンと地面を叩くアレのことと想像します。右(後ろ)足が実としてしゃがめば、上手く行き、立身中正も保てる。覚えておきます!
集団推手は、どう触れ合っているのか、正直なところ良く分かりませんでしたが、その練習の結果、「中定」が感覚として理解できる、というくだりにハッとしました!
まさに、持った湯飲みをバッタと落とし、小膝叩いてにっこり笑い、状態です。
今度お会いした時に、これご指導いただきたいです。
軽重浮沈が自由自在。。。
私のレベルでは、まるで理解できないです。
これだけでなく、今までにたくさんの気付きを書かれていましたが、
「うん、わかる」と思えたものは、ほぼ無いです、残念ながら。
私も、長年だらだらと太極拳を続けてきましたが。いまだ太極アプリを起動できておりません。ちょっと焦ってきました。
引き続き投稿記事、楽しみにしております!“
U様
コメントありがとうございます。
またひとつ共通点が見つかりました!
私も浜村淳が好きなんです。
大浜の夜市と、阪急百貨店の終活フェアで、ご本人を見ました。
最近ラジオは聞けてませんけど。
「下劈」は、まさにアレです。
ただし、私の習っているのでは、前足が右足になって、左足は後ろで虚歩です。
集団推手、この指とまれーといえば、おそらくオバサマ方が集合しますので、またD公園でやってみたいと思います。
そのときは恥ずかしがらずにぜひご参加くださいませ!