片足でまっすぐ立つ集団推手

妙齢女性に太極拳推手に取り組もうとされている人が、けっこう多くて、レクチャーする機会が多いです。この頃。

だいたい、簡化24式太極拳と、剣をちょろっとやっている人が多いかんじですね。

そんな皆様に、おおよそ共通しているのが、片足でまっすぐ立てないということです。

いえ、普通に片足立ちはできるのですが、推手とか套路の動きの中で、片足重心になってくださいな、というと、なんだか膝を変に曲げて、捻じれたような窮屈でしんどいポーズになって、グラグラして、ヨレヨレするのです。

変なカッコで、ぷぷぷ、おかしい!

普通に膝を伸ばして、まっすぐ立ってくださいな、と言葉で説明しても、なかなかイメージが書き換わらないかんじです。

で、いろいろ考えて試して、これは面白いぞと思ったのが、何人かで輪になってやる推手です。以前に公園で思い付きでやったんですけど、またやってみて、これは左脳であれこれ考える余地もなく体感で矯正できるかも? と期待できます。

やりかたです。

手は、上腕を重ね合わせて、擠の形。これは手を無駄にコネコネさせないよう、制限をかける意味合いなので、厳密に形を守る必要はありません。抱球が作れていたらOK。

そして向かい合って輪になって、前の人、隣りの人と、腕を接触させます。3人なら前の人が隣の人ですが、4人以上になると、前の人とは手が届かなくなるかも。届く人だけひっつけばよいです。誰が上でとか下でとか、肘とか手首とか、なんでもよいです。

この時点で左脳で考え始める人もおられますが、考えるのは後回しです。

そして片足を上げて、上げている足を、前の人と隣の人と接触させます。肘や脛をくっつけます。できましたら円襠開胯を守って、股の間にも抱球を作っていてほしいですが、それを意識することで立てなくなるようなら無視して良いです。

5人くらいまでならお互いの膝が届くかな? 上限5人というところですね。

全員片足立ちになってひっついたところで、ユラユラ揺れます。揺れに合わせて片足で上手に重心コントロールして立ち続ける訓練です。

バランスを崩しそうになったら、隣りの人とか、前の人とかにもたれれば良いです。

すっかり体重を預けてもたれかかると、全体が崩壊しますから、ここまでならOKというところが感覚でわかるようになります。それが中定ですね。

腕は球を抱えている形、これが縮こまって潰れると、やっぱり全体が崩壊します。抱球キープです。つまり掤勁を保つ訓練です。

推手のイメージからかけ離れているかもしれませんが、いきなり四正推手で訳も分からず手をコネコネさせるより、たぶん体の使い方の本質的なところが体感で理解できるんじゃないかなあーという気がしております。

それに、押しくらまんじゅうみたいで楽しいですし。おばちゃんら、キャアキャアと喜んでくれます。あまり男性向きではないかもしれませんね。

ちょいちょいやってみて、効果を計測してみようと思います。

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