カエルの楽園 感想

音楽・美術・芸術・映画

百田尚樹著「カエルの楽園」を、お友達からお歳暮というか、クリスマスプレゼントというか、年末に頂いたので読んでみました。

「カエルの楽園が地獄と化す日」という解説本もセットでいただきました。

 

せっかくいただいたので、年末の忙しい中、渋々読み始めてみましたら、わりと読みやすくて、引き込まれるように2日で全部読んでしまいました。

かなり衝撃的なお話です。途中でやめられないんです。

「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体などとは一切関係ありません。」と書いてありますが、いやいや、これはゴルゴ13同様、関係機関から抹殺されないための逃げの断り書きでありましょう。

目次

カエルの楽園 あらすじ

登場するのはカエルたちでありまして、おとぎ話の形式を取っておりますが、容易に現実の国際社会に当てはめることができます。

平和ボケで、昔に作られた平和の教えを金科玉条のごとく信奉し、一切の争いを放棄しているカエルの国があります。ナパージャという国で、これはJAPANをひっくり返してるんでしょう。

ナパージャのカエルたちは、自分で考えることのないアホばっかりです。平和を愛する正義の味方みたいなカエルがおりまして、日々演説して、聞く者に自虐意識を植え付け、争いの心を持たないように、と教えを説いています。

争いと防衛は違いまっしゃろというのは、よそ者の主人公なのですが、だれも聞く耳持ちません。

なかには防衛意識を持って密かに鍛えて備えているカエルもいるんですが、大衆の世論に押されて、力を出せません。

ナパージャは、凶悪なウシガエルに狙われており、じわじわと攻められています。しかし戦うという選択は、ないのです。

大衆は、防衛意識のあった仲間のカエルの力を封印し、陰ながら守ってくれていたワシの助けも拒否します。

んで、結局はウシガエルとは争いにもならず、ただ侵略虐殺されておしまい、という話でした。

カエルの楽園のネタバレ

現実社会に当てはめられるというのは、日本と中国、アメリカの関係です。

解説本では、中国が尖閣諸島を狙っている理由が書かれています。大地も水も空気も汚染されまくって、生きていけない人間が何億人いてるやらわからないという情勢です。

尖閣諸島は足がかり、狙いは日本列島侵略です。

今後予想される展開(発刊以降もおとぎ話の筋書き通りに進んでいる)、日本民族の世論やマスコミの主張の問題点が、実に分かりやすく書かれています。

憲法9条や自衛隊、日米安保条約についても書かれております。

尖閣諸島を実効支配され、沖縄が独立した後の展開もシミュレーションされています。嘘つきごまかし恫喝と、無理を通せば道理が引っ込む式で日本国がなくなります。

怖ろしいのが、中国に侵略されたらどうなるかというシミュレーションです。今までの侵略の前例は、中国の長い歴史の中でいくらでもあるし、チベットやモンゴルなど現代の話でもあります。

それは略奪と残虐な殺戮だというのです。欲望むき出しの集団的サイコパスのようです。イスラム国がまだマシに思えてくるくらいです。

解説本には1937年の通州事件の証言というのが、当時の報告書がそのまま引用されてまして、これが吐き気を催すほどの酷さです。(気の弱い人はこの部分は読まないほうがいいかも。)

 

私は、大学は中国語学科卒業でして、漢詩も原文で読んだりしてましたし、少林寺拳法や太極拳もかじっていて、中国だいすきなんですけど、やっぱし中国の感覚と日本の良識とは違うと思えることはあります。

中国人の友達や、知っている留学生は良い人が多いですが、中国人観光客の品の無さはナンジャと思います。

私が在学していた大学の先生には、文化大革命から逃げてきたおばあさんの中国人先生もいて、授業中に毛沢東をボロクソに批判しておられました。母国でやったら処刑でしょう。

在学中に天安門事件がありまして、当時は情報統制されていたのか実態がよくわからんかったんですけど、学生の大虐殺ですね。

座り込みの学生を、戦車がぐちょぐちょっと踏み潰していったのです。同じ中国人民です。

中国では、人命は地球より重いなんてことは全然なくて、屁より軽い感じです。大事故大災害があっても死傷者の数は適当にごまかされます。(そもそも戸籍がいい加減とのことです。)

これはカエルの楽園を読む以前から、よく聞く話ですね。

犯罪のあり方も、凶悪です。

日本のドロボーは、ほっかむりして針金ピッキングで空き巣狙いですけど、中国のドロボーはATMの機械ごとブルドーザーで持っていきます。

日本のスリは、満員電車の中、熟練の指技で財布の中から万札だけ抜いていきますけど、中国の強盗は、手首ごと指輪や時計を持っていきます。

性善説が、通用しない世界もあるのですね。

カエルの楽園と解説本では、そういう中国の恐怖も書いているのですが、一番問題にしているのは、日本国民の自虐感と平和ボケ、国防意識の無さです。日本人自らが、自分の首に縄をかけて、縄の端っこを相手に持たせている感じです。

戦わない国は、争いにもならず、大虐殺です。

平和は大切ですが、強くなければ平和は保てません。これは私は少林寺拳法の教えで学びました。力愛不二という教えです。

専守防衛とはこっちから攻撃しないで守りきるってことですが、相手より強くなければ、そんなことできません。

鉄パイプを振り回してくる暴漢に、パンチもキックも出さず、足さばきだけでかわし続けて、相手がくたびれて参るまでつきあえるなんて、よっぽどの達人です。その気になったらデコピン一発で脳震盪を起こせるよってくらいのレベルの人です。

あまりこんなことをブログに書くと、右寄りの人かと思われそうなのでここまでにしますが、自分の考えもなしに、新聞とかニュースキャスターに同調して、政治に反対ばっかりしている人とか、沖縄の問題になんにも危機を感じない人は、こういう本も読んだほうがいいんじゃないかと思ったのでした。

コメント