陰陽の閃き

太極拳は陰陽で成り立っている。前に行くときはまず後ろに下がり、左に行くときはまず右に行く…というような法則は、頭ではわかっており、実際に套路の練習ではそのように動いておりましたが、突然その意味が分かりました。

閃いたのです。でも言葉でうまく説明できません。体感です。

反対の動きがわかると、体がピシーッと合うといいますか、精密機械の精度が上がったというか、集積回路が真空管から半導体のトランジスタに進化したというか。内部が変化しました。

たぶん、見栄えは何も変わらないと思います。しかし、相当に大きい変化のように思えます。半導体の発明は世界を変えましたものね。そういえば半導体って、陰陽だ。

陳式太極拳の練習をするときは、いちおう陰陽の意識は前からありましたけど、24式や楊式をやる時はその意識は全然ありませんでした。それでなんだか、うまくいかないしっくりこない、フニャけた太極拳、というか全然太極拳ぽくない、と感じていたようにも思います。

ためしに、ちょっと陰陽を意識して24式をやってみたら、全然別物になりました。あ、太極拳になった、というかんじです。教室でやったら、違う!と注意を受けそうですけど。

このかんじ、上達に苦しんでいる皆様に伝えてあげたいですが、言葉で伝える術を思いつかないので、ちょっと無理?

自分で体感してもらわないことには。伝えるとすれば、基本功の形を、毎度毎度修正していくという指導になろうかと思います。

そういえば私は、安田先生より、そのような指導を受け続けてきたのでした。それでも、閃くまで5年かかったってわけです。

達人への道は果てしなく長いなあ~と改めて感じた次第です。

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