太極拳的ピアノ習得法

目下練習中のピアノ曲、ドビュッシー作「アラベスク第1番」「月の光」は、けっこう難しいんです。

なにしろ、音が多い。その分、まずは覚えるのが大変でした。

どちらも、短い曲ながらドラマチックな構成です。同じようなフレーズが繰り返されても、ちょっとづつ違ったりして、まるで太極拳の套路のようです。

YouTubeのお手本みたいにスピーディーな演奏はいきなりは無理ですから、ゆっくりと楽譜をなぞる練習から始めました。

楽譜そのままだとわからないので、いちいち音符の上か下にカタカナで「ドレミファソ」とフリガナを書き込んで、1小節づつ解読して覚えていきました。覚えたら次の小説の解読、みたいなペースです。暗譜するだけで3カ月くらいはかかったでしょうかね。

楽譜を見なくても鍵盤の叩く場所がわかるようになったら、テンポを保って通して弾く練習。

音の少ないところ、複雑なところも同じ流れを保てるように練習します。

しかしこれでもまだ、曲に聞こえない!

フレーズというか、テーマというか、メロディラインが聞こえてこないのです。

世の多くの楽曲は、和音の一番高い音がメロディラインを奏でることが多いと思いますが、難しい曲だと、そうでもないところが結構多いです。

その音を意識して、良く響くように念じて鍵盤をなぞらないと「アラベスク」や「月の光」に聞こえません。

「これは意念だ!」と気づきました。

そこに気づいたら、ちょっとお手本の演奏に近づいてきました。全体の構造が見えてきたような気がするのです。作者の意図みたいなものが、少し感じられてきたような。

お手本の1/2倍速くらいになってきたかなあ。

しかしここで焦ってスピードアップすれば、崩れます。慢練が大事。震脚とか跳躍は慢練がキッチリできてから。

この頃はゆっくりながら、粘っこいところ、軽やかなところ、虚実分明ができてきたような気がします。

まだ間違えずに通せたことがありませんけど、間違えなくなったら、少しづつ本来の速度に近づけていこうと思います。

ピアノのあるバーなんかで、サラサラッと弾けたりしたらカッコいい!モテモテや!と妄想しながら練習しております。

(武術マニアのお兄さんや太極拳ファンの妙齢女性には、すでにモテモテですが)

なお、太極拳ができればピアノが弾けるという意味ではありません。

私はギターやら三線やらになじんで音感があり、ピアノも小学生の時にちょこっと習っていて、トルコ行進曲くらいは弾けておりましたので、まったく初心者向けの練習法ではないっちゅうことはご了承ください。

 

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