私は少林寺拳法の三段を持っております。
人にいうと、「三段くらいが本当は一番強いんだってねー」と勝手に誤解して感心してくれる人がいて、はあ、まあ、とか答えておくのですが、そんなわけないですね。
三段が一番強いというのは都市伝説というか、デマです。
少林寺拳法だと、高校生くらいから始めたとして、スムーズに昇段試験を受けていけば、大学生くらいのときに三段を取るという人が多いわけですが、大学の体育会は練習量も多いし、年齢的にもパワー溢れておりますから、防具をつけたドツキ合いの乱取りなんかは、大学生はやっぱり強いです。
大会で成績を出すのも、三段くらいが多いでしょうから、そういう説が生まれたのだと思います。
しかし、50歳にもなっていまだ三段の人と、修業を続けて六段の人では、そりゃ六段のほうが強いに決まっております。
このクラスになれば、大会も審査する側でしょうから、金メダルもないでしょう。
肉体は老化に向かっておりますから、瞬発力だとか、持久力など、体力的には20代には負けるでしょう。
しかし、練られた技のキレってものは、力自慢だけの若者とは一味違います。
私の大学時代の監督の先生、おじいちゃんという年齢でしたが、突きでも関節技でも、おっそろしかったです。
さて、太極拳にも段位ってありますね。
私が太極拳を始めた頃は、太極拳の段位なんて聞いたこともなかったのですが、現在は段位制度ができているようです。
三段の試験に出てくるので、付け焼き刃で推手の練習をしている人とかいたりして、なんだか変だなあと思ったりもしますが、昇段試験というのは、励みになって良いですね。
ひとつの目標と言うか、階段を上がっていくように感じて、練習に熱が入ると思います。
少林寺拳法の段の試験は、学科の筆記試験と、試験科目に入っている技がちゃんとできるかどうかという内容でした。(今は知らないですが)
基準のレベル以上のことができるかどうかで、段が上がっていきます。わりと明確です。(七段とか八段にもなると、人格とか貢献度も問われるようですけど、そんな雲の上の話は知りません。)
極真空手だと、10人抜きだとか100人抜きだとか、ハードな内容みたいです。技術もさることながら、持久力や根性も試される?
太極拳の場合は、級、段ごとに採点されるポイントがきまっているようで、そこをうまくこなせるかどうかで判定されるようです。
最近では、試験会場にいかずとも、録画した動画で判定されるという派もあるのだとか。IT時代ですねえ。
私といえば、いまさら昇段試験を受ける気はない、というのが正直な気持ち。
級から初めて、ちまちまと、初段、二段、三段、ってやっていくのも、時間も費用もかかることだし、いきなり三段とか飛び級でもいいよというなら、やってみようかなと言う気もしないでもないですけど、派によって基準が違ったりしてややこしそうだし、格闘武術としての実用性とは関係なさそうだし、表演大会で、高段者が有利になるということもなさそうだし、あんまりメリットを感じません。
少林寺拳法のように、この段をクリアせねば、次の技は学べない、なんてこともないし。
そもそも高段者になりたいという動機がなくても、私は毎日熱心に練習してますし、資格をとって指導者になるつもりもないし。
昇段試験料が、太極拳普及のための運営費になっているのであろうということは理解できますので、沢山の人がどんどん試験を受けて、業界が活性化するのはいいことだと思います。
しかし、個人的には、段位も大会も関係ない名人級、達人級の個人指導を受けて、指導料を払っているほうが、私には意義があるなあと、感じてはおります。
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