按勁

太極拳の代表的な勁の方向を示す言葉に、掤、捋、擠、按があります。

推手をしていると、掤と擠は、わりとうまく使えるのです。道場の先輩を、ポーンと飛ばせます。先生を、フラフラッと、動かせます。

しかし、捋と按が、なかなかうまく使えませんでした。どう意識すればよいのか、わからなかったのです。

それが、先日、安田先生が按勁を実演されているのを見て、ビビビッと、ひらめきました。

按は、一般的には下に押すと説明されることが多いですが、そうじゃなくて、浮きつつ沈むのですねー。伸び上がりつつ、重力に引かれると言いますか。

なんにせよ、纏絲です。ちょっと、言葉では説明しがたいです。

でも、なんかつかみました。

数日後、地元の道場で、先輩や先生と推手のお手合わせをしていただきました。

すると、できる! 按が使えるようになってました!

道場で一番達人のN先生は、出張でお休みでしたが、2番目に達人のN先生を、トン、と押さえきれたのです。奇跡的に一回だけ成功したのではなく、何回もできました。

先輩に至っては、なんか、できてて当たり前、前からこんなかんじじゃなかったっけ、と錯覚するほど、簡単にできるようになってました。

おおー! なんだか一皮むけたというか、別人になったみたい。

套路も変わりました。

ここは按だ、ここも按だったのか、ここでも按が使える、と気づきまして、ずーっと浮いたり沈んだりしてます。ユラユラ、ふわふわしているかんじです。

ようやく、太極拳らしい太極拳になってきた! というかんじがしてきました。

また一歩、達人に近づいた!

でも、捋はまだうまくできないです。

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